シャープの水なし自動調理鍋「ヘルシオ ホットクック」(以下、ホットクック)は、材料を入れてスイッチを押せば自動で調理してくれる電気調理鍋。2015年の発売以来、容量として2.4L・1.6L・1.0Lとラインナップを増やし、2021年6月末には累計販売台数が40万台を達成した人気アイテムです。
そのホットクックの新製品が9月中旬に発売されます。価格はオープン、推定市場価格は容量2.4LのKN-HW24Gが77,000円前後、容量1.6LのKN-HW16Gが66,000円前後、容量1.0LのKN-HW10Gが50,000円前後です。発売前の実機に触れられたので、使用感も含めて紹介します。
新製品のおもな特徴は、「新デザインによる省スペース化」「自動でまぜるメニューのバリエーションの増加」「使いこなし機能の充実」の3つです。
2.4Lモデルは約13%、1.6Lモデルは約9%、本体幅を削減
これまでのホットクック(2.4L)は、本体の左右が突き出ているデザインだったため、家庭の収納棚などに収まらないことがありました。シャープによると「ホットクックが欲しいけれど、キッチンに置くスペースがない」という声が多かったそうで、こうした要望に応えて2.4Lモデルと1.6Lモデルで新デザインを採用しました。
2.4Lモデルの場合、従来機種のKN-HW24Fよりも横幅が50mm小さく、90cm幅のキッチンボードなら大型オーブンレンジの横に置けるようになりました。1.6Lモデルは従来機種のKN-HW16Fと比べて横幅が30mmコンパクトになっています。
本体サイズは、KN-HW24Gが幅345×奥行き305×高さ256mm、KN-HW16Gが幅330×奥行き282×240mm、KN-HW10Gが幅220×奥行き305×高さ240mm。3機種ともWi-Fi(無線LAN)対応です。
自動でまぜるメニューのバリエーションが増えた
ホットクックの大きな特徴のひとつが、本体にセットして使うパーツ「まぜ技ユニット」による「まぜ技」調理です。加熱の進行にあわせて自動で食材を混ぜるため、味がなじんで美味しく仕上がるというわけです。また、ホワイトソースなども混ぜながら加熱するので、手間なく上手に作れます。
このまぜ技、ただ食材を混ぜているのではなく、食材の硬さや量、加熱のタイミングにあわせて最適にコントロールしています。メニューによって混ぜ方は変わり、たとえば「たこと里いもの煮物」なら里いもをつぶさず形を残して調理を終え、「かぼちゃのポタージュ」ならしっかりとかぼちゃをつぶしてトロトロのポタージュスープになります。もちろん、無水で調理するメニューも焦がさず仕上がるなど、いろいろな調理を楽しめます。
今回の新製品では、この「まぜ技」がさらに進化。加熱調理中に混ぜるだけでなく、加熱の前後で混ぜたり、加熱しないで混ぜたりするようになりました。
たとえばオープンオムレツの場合、これまで野菜をホットクックに入れたあとに、溶きほぐした玉子を入れていました。これが新製品だと、玉子も野菜と一緒に入れてOK。玉子を溶く~加熱まで、ホットクックに任せられるというわけです。
新まぜ技でコロッケの具を作ってみた
さっそくこの機能を使って、コロッケの具を作ってみました。タマネギ、ジャガイモ、挽き肉、塩こしょう、バター、牛乳をホットクックに入れて、調理スタート。35分でジャガイモがマッシュされた状態で仕上がります。
野菜の水分によって、コロッケの具は柔らかさが違ってきます。今回はちょっと柔らかすぎたので、「煮詰め」機能を使って水分を飛ばしました。
完成した具は冷蔵庫で休ませて、成形してパン粉をつけて揚げればコロッケのできあがり。お肉屋さんで買ったコロッケのようにトロっとした口当たりで美味しい!
一般的なコロッケの場合、肉とタマネギを炒めて、ゆでてつぶしたジャガイモをあわせて具を作りますが、ホットクックなら洗い物が少なく、作業の時間も短くて驚きました。同じようにポテトサラダもゆでからつぶしまでホットクックにお任せです。おかず作りの手間を省けて、本当に助かります。
さらに今回の新製品では、まぜ技の最大回転数が約2倍になり、まぜ技機能単体でも使えるようになりました。その機能を使う一例が生クリームの泡立てです。
ホットクックの内鍋を10分以上冷やして、冷蔵庫から取り出したばかりの生クリームと砂糖を入れてスイッチを入れます。生クリームに含まれている脂肪の量でまぜる時間が変わるため、様子を見ながら混ぜていきます。
できあがったホイップクリームは、いわゆる6~7分立てくらいの仕上がり。デコレーション用に絞るにはまだゆるいですが、ケーキに添えたりパンに挟んで楽しむにはちょうどいい感じ。後片付けも楽なので、自宅で気軽におやつ作りを楽しめそうです。今度はマリトッツォを作ってみようかな?
使いこなし機能の充実
ホットクックのメニュー集には、煮物、ゆで物、蒸し物、麺類、発酵・低温調理など、さまざまなメニューが紹介されています。いろいろな料理が作れると夢が膨らむ一方、「使いこなせるだろうか」という不安も。そこで新製品では、ユーザーの使いこなし度にあわせてメニューを提案する「使いこなし応援」機能を新たに搭載しました。
これはクラウドサービスのひとつです。ホットクックを自宅のWi-Fi(無線LAN)に接続してから本体の「COCORO KITCHEN」キーを押して、「ステップアップメニュー」を選択。使い始めは無水カレーなどの定番メニューがオススメされますが、慣れてくると蒸し物や低温メニューなどもオススメしてくるようになります。
使いこなし度は「はじめまして」から「神レベル」まで7段階あるので、高みを目指していろいろなメニューに挑戦できそうです。このほかシャープでは、公式ファンコミュニティサイト「ホットクック部」や、オンラインなどで開催している「ヘルシオ教室」など、使いこなしを応援するコンテンツを用意しています。
キッチンに置きやすくなってますます便利に
筆者も既存のホットクックを1台愛用していますが、カレーやスープなど定番メニューを作ることが多く、購入してから現在まであまりレパートリーが増えていません。今回の新製品は使いこなしのレベルにあわせてメニューをオススメしてくれるので、新しい料理にも挑戦しやすいと感じました。コンパクトになって置きやすくなったところも魅力的です。
新製品を実際に使ってみて、「まぜ技」の進化は片付けが楽になって本当に助かります。ポテトサラダやコロッケなどは子どもに人気のメニュー。それを手軽に作れるのはうれしいポイントではないでしょうか。