LGエレクトロニクス・ジャパンは、8Kテレビの新製品として、有機EL「OLED Z1」シリーズ2機種と液晶テレビ「NANO96」シリーズ2機種を8月下旬に発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は有機ELの88V型が390万円前後、液晶の55V型が32万円前後など。

  • LG 8Kテレビ2021年モデル

    88V型「OLED 88Z1PJA」の設置イメージ

■OLED Z1シリーズ(受注生産)

  • 88V型「OLED 88Z1PJA」:390万円前後
  • 77V型「OLED 77Z1PJA」:280万円前後
  • LG 8Kテレビ2021年モデル

    77V型「OLED 77Z1PJA」

■NANO96シリーズ

  • 65V型「65NANO96JPA」:39万円前後
  • 55V型「55NANO96JPA」:32万円前後
  • LG 8Kテレビ2021年モデル

    65V型「65NANO96JPA」

  • LG 8Kテレビ2021年モデル

    55V型「55NANO96JPA」

「OLED Z1」シリーズは、同社のプレミアムブランド「LG SIGNATURE」として、88V型と77V型の2サイズを受注生産で展開。ひとつひとつの素子が個別に自発光することで「本物の黒」を再現でき、8K/7,680×4,320ドットの有機ELパネル(倍速120Hz対応)による迫力ある映像を特徴とする。

パネル部には極細ブラックベゼルを採用し、“映像だけが浮いているような没入感”を演出。88V型「OLED 88Z1PJA」はシルバーのキャビネットスタンドで“リビングを格上げするプレミアムデザイン”に仕上げた。77V型「OLED 77Z1PJA」は付属の通常スタンドに加え、壁掛け用の取り付け金具がテレビ本体内に収まる構造によって壁にぴったり密着させて設置できる「ギャラリーデザイン」にも対応する。

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    88V型「OLED 88Z1PJA」はシルバーのキャビネットスタンドを採用

「NANO96」シリーズは、8K/7,680×4,320ドットのIPS液晶パネル(60Hz)と、スリム直下型エリア駆動のバックライトを採用。65V型と55V型の2サイズをラインナップし、価格・サイズともに“手の届く8Kテレビ”として訴求する。1nmの極小粒子を超精密に敷きつめた。LG独自の「NanoCell Display」を採用しており、色ノイズの原因となる過剰な光波長を吸収して、赤や緑といった色の純度や濃さを向上させ、色再現性を強化している。

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    65V型「65NANO96JPA」の壁面設置イメージ

4機種の主な共通点として、人工知能を統合させて高画質を追求した、8K専用の映像エンジン「α9 Gen4 AI Processor 8K」を搭載。視聴している映像のジャンルだけでなく、シーンごとに自動で認識し、各シーンに合う設定を自動適用するという。新たに「オブジェクト強調」のステップを追加することで主要な物体を認識し、立体的に高精細化するアップグレード技術で、“リアルに近い質感”を再現する。

「AI映像プロモード」では、地上波のスポーツや、ネット動画で観る映画など、さまざまな映像ジャンルをAIが自動認識し、最適な画質に変換。人の肌を自然なトーンにし、クリアな映像にする。2K/4Kの映像を8K水準の画質へとアップスケーリングする機能も装備。AIが映像を解析し、ノイズを除去することでクリアで鮮明に映し出せるとする。

HDR方式は、HDR10 Pro、HLGに加えて、周囲の明るさに合わせて画面の輝度を自動調整できるDolby Vision IQをサポートする。ほかにも、映画やテレビ番組など制作者の意図通りの映像を視聴できる「FILMMAKER MODE」も搭載する。

サウンド面では、Dolby Atmosに対応。また、AIを活用してユーザーが見ている映像のジャンルを分析し、ドラマ・スポーツ・映画・ニュース・音楽の5ジャンルに分類し、バーチャル5.1chサウンドに変換する「AIサウンドプロ」機能を搭載している。

スピーカー構成は有機ELのZ1シリーズが4.2chで、最大出力は88V型が80W、77V型が60W。液晶のNANO96シリーズは65/55V型のどちらも2.2ch構成で、実用最大出力は40W。

HDMI 2.1に対応したHDMI入力を4系統装備。液晶のNANO96シリーズは8K/60p、4K/60p、ALLM(自動低遅延モード)、eARCをサポートする。有機ELのZ1シリーズは8K/60p、4K/120p、ALLM、eARCに加えてVRR(可変リフレッシュレート)もサポート。

Z1シリーズはゲーミング機能を強化しており、応答速度1msを実現し、レースゲームなど画面の切り替えが速いシーンでも残像感が少なく、スピード感あふれるゲーム映像が楽しめるという。パソコンとテレビのリフレッシュレートを同期させ、ゲーム映像で発生するズレやカクつきを抑えるNVIDIA GーSYNC Compatibleにも対応する。なお、ゲーム用HDR規格のHGiGにはNANO96シリーズを含めて4機種とも対応する。

いずれもBS8Kチューナーを1基、BS4K/110度CS4Kチューナーを2基、地上/BS/110度CSデジタルチューナーを3基搭載。別売のUSB HDDをつないで裏番組録画が可能だ。HDMIとチューナー以外のインタフェースは、光デジタル音声出力、ヘッドホン出力、USB、LAN端子を装備。無線LAN機能も内蔵する。

スマートテレビプラットフォーム「webOS 6.0」を採用し、NetflixやHulu、Amazon Prime Video、DAZN、YouTubeといった映像配信サービスが利用できる。アプリ起動までの時間は、一般的なスマートテレビに比べて最大約半分に短縮。LGのテレビでおなじみの「マジックリモコン」にも対応する。