ガートナージャパンは8月18日、企業において、CIOやITリーダーがDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進する上で必要となる5つの役割を発表した。
GartnerはDX人材に求められる知識/スキル/コンピテンシーとして、「意識(マインドセット)」「デジタル・イノベーション」「IT」「ビジネス」の4つの分野を挙げている。「意識」の例としては、「協調性」「決断力」「学習志向」「リスク・テイク」「ダイバーシティ/エクイティ/インクルージョン」がある。
これら4つの分野は、DXの5つの役割すべてに共通するが、それらの重みとバランスは人材の役割と企業のデジタル戦略によって異なる。
同社が提言する、DX推進に必要な5つの役割は以下の通り。
ビジネス系プロデューサー (ビジネス・アーキテクト)
DXによるビジネス・ゴールを定義し、新たなビジネス・モデルを考えたり、DXに関する企画を考えたりする役割を担う。経営層や社内外の意思決定者とのビジネス面でのコミュニケーションにも責任を持つ。
テクノロジ系プロデューサー (テクノロジ・アーキテクト)
ビジネス・ゴールの達成に向けた最適なデジタル・テクノロジーの特定やテクノロジの適用によるシステム面の影響の分析、予測などを担う。経営層や社内外のエコシステムのパートナーに対する技術面のコミュニケーションにも責任を持つ。
テクノロジスト (エンジニア)
現場で実際にテクノロジーを活用する役割を担う。自動化、データ・サイエンス、モノのインターネット (IoT)、人工知能 (AI) などの新興領域に注目しがちだが、確実にDXを推進していくには、通信ネットワーク、IT基盤、セキュリティ、クラウドなどの既存の領域の役割も重要である。テクノロジストもまた、全従業員が対象となる。
デザイナー
ソリューション、サービス、アプリケーションのユーザー・エクスペリエンス (UX) をデザインする。UX面のコミュニケーション、UXとデザインに関する知識の社内普及に向けた教育なども行う。
チェンジ・リーダー
デジタル・テクノロジーの導入に伴う働き方 (業務、意識など) のシフトの主導、変革の目的やゴールの整理、変革のコミュニケーション計画の作成、関係者全員を巻き込んだ意識と行動変容に向けた施策の計画/展開などを担う。