日経リサーチは7月20日、2021年1月に日経ID会員に対して実施した「DX(デジタルトランスフォーメーション)実態調査」の結果を発表した。同調査は、さまざまな規模や業種の企業に勤める2000人近くから回答を得ている。
同調査によると、売上高別で企業のDXの取り組み状況において、売上高1億円未満の企業は40%以上がいずれのDXにも取り組んでいないことが分かった。一方で、売上高が100億円を超えると、90%以上の企業が何らかのDXに取り組んでいることも判明した。
DXの目的達成のために具体的にどのような施策に取り組んでいるか、といった質問に対しては、業務DXとしてのテレワークが60.9%と一番多いが、過半数はそれのみ。テレワークに必要な「ペーパーレス化・押印廃止」も5割に達しなかった。
根本的なDXにつながる「人事・評価制度などの見直し」に関しては、1割未満の企業しか取り組んでおらず、どの企業もテレワークが先行しているのが実情だ。
次に、DX推進でどれぐらい成果が得られているのかとの問いに関しては、「従来なかった製品やサービスなどを生み出す」、「既存ビジネスの顧客体験を向上する」、「業務プロセスの「プロセスを再構築し、生産性の向上・コスト削減・時間短縮をもたらす」、「働く場所やコミュニケーション方法を見直す」の4つの目的とも設定したKPIやKGI通りかそれ以上の成果が出ている企業は20%前後にとどまる。
また、取り組みには企業規模で大きく差があるのに対し、成果はそこまでの差がないことが分かった。売上高1兆円以上の企業も3割以上は「KPI/KGIの設定がまだできていない」のが現状で、コロナ禍でとりあえず始めることが先決だったという企業も目立っている。