シロカは8月5日、電気圧力鍋の新製品「おうちシェフPRO」と「おうちシェフ」を発表しました。おうちシェフPROはMタイプ「SP-2DM251」とPタイプ「SP-2DP251 」の2モデルを用意していますが、どちらも性能は同じ。Mタイプは量販店モデルでホワイトとダークブラウンの2色展開。Pタイプは通販モデルでグレー色を用意しています。
一方、おうちシェフはFタイプ「SP-2DF231」の単モデル。このFタイプと、おうちシェフPROシリーズとのもっとも大きな違いは、後述する「スマートプレッシャー技術」の有無です。価格はオープンで、推定市場価格はMタイプおよびPタイプが15,800円前後、Fタイプが12,800円前後。発売は9月24日です。
業界初、高い圧力を一定に保つ「スマートプレッシャー」技術
新製品で注目したいのは、スマートプレッシャー技術を搭載した「おうちシェフPRO」。スマートプレッシャーとは、「高圧力」「圧力を一定にキープする制御」「自動減圧機能」という3つの技術を組み合わせた機能です。一般的な電気圧力鍋が70kPa前後の圧力であるなか、おうちシェフPROは95kPaという高い圧力を誇っています。高圧力であるぶん、食材を短時間でより柔らかくする調理が可能です。
高圧力も魅力的ですが、スマートプレッシャー技術で一番注目したいのは「圧力を一定にキープできる制御」。一般的な電気圧力鍋は調理中に鍋内の圧力が乱高下しますが、おうちシェフPROは一定の圧力を保つ制御を採用しているのです。
今回の新製品は、食品の美味しさについて研究をしている工学院大学先進工学部応用化学科の山田昌治博士との共同研究により開発されています。山田博士によると、圧力鍋調理における「おいしさ」の要件とは、柔らかく、味がしみ込んでいて、さらに栄養成分が逃げていないことの3つが重要とのこと。この3つの条件をクリアするキモとなったのが、「一定の高い圧力で調理する」ことでした。
おうちシェフPROで調理した料理は、肉じゃがなら従来モデルの圧力鍋と比較して約30%の時短が可能です。これは高い圧力ですばやく食材を柔らかくできるという理由以外に、スマートプレッシャー技術のひとつ「自動減圧機能」が貢献しています。
一般的な圧力鍋は調理後に鍋内の空気をゆっくり逃がして減圧しますが、おうちシェフPROは調理後に自動で強制排気。これにより、短時間で調理を終えることができるのです。面白いのは、排気弁にカバーをつけていること。強制排気時に熱いスチームが勢いよく飛び出てこないので、安全性が高いというメリットがあります。
柔らかさ、味のしみ込み、栄養素の残存率すべてが優位に
山田博士は、おうちシェフPROは「やわらかさ」や「味のしみ込み」「栄養素の残存率」の数値すべてにおいて、従来モデルの電気圧力鍋より優位だったといいます。
生肉調理も安心な、最大12時間の予約設定が可能
予約調理もかしこくなりました。従来製品にも12時間の予約機能がありましたが、これは「時刻にあわせて調理する」というシンプルな機能。白米や玄米の炊飯機能にしか利用できませんでした。
一方、新モデルは生肉など傷みやすい食材の予約にも最大12時間対応。予約をスタートすると、まず95℃前後で加熱して、あとは予約した調理時間まで75℃前後でキープして食材を腐らせません。予約時間前になると100℃前後で加熱調理し、予約時間にあわせて料理を完成させます。
従来モデルの調理方法は「圧力調理」「無水調理」「蒸し料理」「炊飯」「スロー調理」「温め直し」でしたが、おうちシェフPROではさらに「低温調理」「炒め」「発酵」「温度調理」という4種類の調理メニューを追加。1台10役の調理が可能です。
シロカは、従来製品のユーザーからはとくに「炒め」メニューの要望が多かったとコメント。新モデルでは「肉を炒めたあと、そのままカレーやシチューを煮込む」ことができると紹介しました。
電気圧力鍋としてはトップレベルの高圧力、「美味しい」を科学した圧力制御、強制排気による時短とスチームレスの安全性、生食材の長時間予約、炒め物までできる幅広い調理メニューなどなど……新製品のおうちシェフPROはかなりの実力派を感じさせます。今回はオンライン発表会のため試食はできませんでしたが、これで15,800円前後というのは、なかなかのコストパフォーマンスではないでしょうか。