ベータサービスとして提供されていた音声SNS「Clubhouse」が正式サービスに移行した。それに伴って新デザインのWebサイトと新しいロゴを公開、招待システムとウェイトリストを撤廃した。

Clubhouseは視聴者が参加できるラジオのような音声SNSだ。2020年春にiOSアプリを通じて、参加者を限ったベータサービスを開始した。利用者が招待枠を使って招待した人のみが参加できる招待システムを採用。コロナ禍で人々が自宅からつながる方法を探し求めていた時期と重なったことで注目を集め、一時は招待を求める人の間で取り合いが起きた。

招待システムとウェイトリストが廃止になったことで、招待や承認がなくても誰でも利用できるようになった。ただし、これから始める人はしばらく待つことになりそうだ。The Vergeによると、ウェイトリストに登録して承認を待っている人が7月21日時点でおよそ1,000万人残っており、それらを少しずつサービスに追加していく。

誰でもルームを作って音声を届け、インタラクティブなコミュニケーションが可能な音声SNSには、Twitter(Spaces)、Facebook(Live Audio Rooms)、Reddit(Reddit Talk)などが次々に参入。競争が激化している。Clubhouseは市場を切り拓いた存在だが、サービス公開という点では後発になる。加えて、ベータサービスの段階で爆発的に人気を高めたことで、まだサービスや機能が出揃わない初期で飽きられてしまう可能性が懸念されている。そして今後の課題として、収益モデルの確立が挙げられている。

Clubhouseはサービスを活用するコミュニティとユーザーの定着をアピールしており、同社によると今年5月にAndroidアプリ(ベータ)の提供を開始してから利用者が1,000万人増加した。毎日50万のルームが開かれており、平均的なリスナーがClubhouseにいる時間が1日1時間を超えている。7月14日に発表したダイレクトメッセージ(DM)機能「Backchannel」もすぐに受け入れられ、これまで約9,000万のDMが送信されたという。