花王と日立製作所(日立)は7月19日、日立のAI(人工知能)技術と数理最適化技術を活用し、店頭支援を担う花王フィールドマーケティングにおいて、販売店の巡回の計画を自動立案するシステムを協働して構築し、本格運用を開始したと発表した。花王は新システムにより、業務能率化による活動生産性の向上を目指す。

花王フィールドマーケティングでは、販売店の店頭支援として全国約60のエリアごとに、販売店の要望や作業希望日、担当者(マーチャンダイザー)の勤務予定・業務計画、技術・適性、自宅や訪問先各店舗間の移動時間など、さまざまな制約条件を考慮して、計画担当者が経験をもとに手作業で時間をかけて巡回計画を作成していた。

  • 「Hitachi AI Technology/計画最適化サービス」の導入イメージ

そこで、この計画業務のプロセスを定式化・デジタル化し、統一したルールでより最適な計画を自動化し、計画業務の時間・コスト削減などを目指して、日立のLumadaソリューションである「Hitachi AI Technology/計画最適化サービス」を導入した。

同サービスにより、制約条件を考慮した計画の最適解を自動で導くことができ、また業務要件の変化に応じた追加学習や、計画履歴情報から特徴を学習させることにより、効果的な計画に進化させることが可能になるという。花王は、年間数万時間を要していた計画業務を半減できると見込んでおり、業務能率化による活動生産性の向上を目指すとしている。