Nintendo Switch版『Pokémon UNITE(ポケモンユナイト)』の配信日が2021年7月21日に決定した。基本プレイは無料。日本時間2021年8月31日23時59分までにダウンロードし、ログインすると、早期ダウンロード特典として「ゼラオラ」のユナイトライセンスがもらえる。
『ポケモンユナイト』は、5対5で戦うポケモンのチーム戦略バトルゲーム。Nintendo Switch版だけでなく、スマートフォン版が2021年9月に配信される予定だ。ニンテンドーアカウントやポケモントレーナークラブアカウントでゲームにログインすれば、どの端末からでも同じデータにアクセスできる。そのため、家ではNintendo Switch版をプレイし、外出先でスマートフォン版をプレイするといった楽しみかたができるだろう。
7月12日には、Nintendo Switch版の配信に先がけて、メディア向けの試遊会が開催された。しかも、ただの試遊会ではない。会場に到着するやいなや、手渡される「挑戦状」。そこには【今日集まったみんなで協力して『Pokémon UNITE』に挑戦しよう! 対戦相手は株式会社ポケモンの社員によって結成された「チームユナイト」! みんなの力を合わせて、勝利を目指せ!】と書かれている。そう、今回は「メディアチーム」と、「チームユナイト」の真剣勝負というわけだ。
もちろん真剣勝負といっても、血のにじむようなトレーニングの成果を披露するバチバチしたものではない。あくまでも試遊は試遊だ。会場の入り口で「ピカチュウ」「ルカリオ」「エースバーン」「ゼラオラ」「カビゴン」が出迎えてくれたこともあり、和やかな雰囲気で進行した。
『ポケモンユナイト』はどんなゲーム?
2021年6月24日から26日までの3日間、Nintendo Switch版『ポケモンユナイト』のユーザー参加型ネットワークテストが実施された。そのため、すでにプレイしたことのある人も多いだろうが、改めて作品の概要から紹介しておこう。
『ポケモンユナイト』の舞台は、海の果ての秘境と噂されていた幻の島「エオス島」だ。ここではポケモントレーナー同士がチームを組み、時間内の得点を競う「ユナイトバトル」が行われている。
ユナイトバトルでは、野生のポケモンを捕まえることで手に入る不思議なエネルギー「エオスエナジー」を、相手チームのゴールに入れて得点を獲得。試合終了時点で獲得した得点の高いチームが勝利だ。
プレイヤーは、試合開始前に「ユナイトライセンス」のあるポケモンの中から1匹を選択。ユナイトライセンスは、ユナイトバトルをするたびにもらえる「エオスコイン」を使って手に入れる。発売時点でユナイトバトルに参戦できるポケモンは、ゼラオラを入れて20匹だが、今後も続々と追加予定だという。
毎試合、ポケモンはレベル1からスタート。試合中にエオスエナジーを獲得することでレベルが上がり、新しいわざを覚えたり、進化したりする。レベルアップしたときに覚えるわざの候補が複数ある場合はその都度選択する形式だ。試合の状況に合わせたわざを覚えさせるのがいいだろう。ポケモンシリーズ定番の「ほのお」「みず」「くさ」といったタイプの相性はないが、ポケモンごとに得意なことが異なり、「アタック型」「スピード型」「バランス型」などそれぞれが役割を持つ。
また、エオス島には、スタジアムがいくつも用意されている。「ゼフィオパーク」には「うごくほどう」のギミックが搭載されており、「ジーヴルシティ」はゴールエリアが1しかないなど、それぞれ異なるルールが存在。今回は、スタンダードなルールの「レモータスタジアム」で試合が行われた。
「レモータスタジアム」は、それぞれのチームのエリアにゴールを5つずつ配置。試合時間は10分で、残り2分になると中央の「レジェンドピット」に伝説ポケモン「サンダー」が出現する。サンダーを倒すと大量のエオスエナジーが手に入るだけでなく、サンダーの雷撃サポートにより、通常一定時間を必要とするゴールの時間が大幅に短縮される。同時に、残り2分からはラストスパートに突入し、得点が2倍に上昇。レジェンドピットでのバトルを制すれば、劣勢で進んでいた試合をひっくり返すことも不可能ではない。
なお、同作はオンラインプレイ専用のゲーム。プレイするためにはインターネット通信が必須だ。Nintendo Switch版をプレイする際に、Nintendo Switch Online(有料)への加入は不要。試合中に参加メンバーの通信が切断されてしまったら、チームでCPUのメンバーを補充するかどうかを決めるという。
「チームユナイト」にボコボコにされた第1試合
試遊会では、ゲーム内に用意されたチュートリアルを2つほど体験してから、いざ勝負。今回、「チームユナイト」とのバトルは全部で3試合行われる。
第1試合では、スピード型のファイアローを選択した。試遊会では、ポケモンの見た目を変えられる「ホロウェア」も用意されていたので、強そうな「パイロットスタイル」で試合に臨んだ。
序盤は、味方ゴール付近にいる野生のポケモンを倒して経験値を稼ぐのがセオリーだろう。とりあえず手当たり次第に野生のポケモンを叩いていく。あちこちにいる「エイパム」を片っ端から捕まえながら中央に向けて進んだ。
すると、スタジアムの中央付近で敵チームのポケモンとエンカウント。とりあえずジャブの1発でもかましてやろうと近づいたのが間違いだった。軽く小突いて逃げようとすると、相手のわざの間合いが長いので、チクチクとダメージを受ける。
ファイアローはスピード型とはいえ、即座に逃げ切れるほどではない。わざを使えばよかったのかもしれないが、そもそもどんなわざを使えるも把握していない。「背中の傷は剣士の恥」だとマンガのセリフであったが、逃げながら少しずつHPを削られ、背中だけに傷を負い、いきなり倒されてしまった。
HPがゼロになると、一定時間経過後、ポケモンはスタート地点に戻される。その間、数的不利が生まれてしまうので、当たり前だが、極力倒されないよう立ち回らなければならない。
鼻息を荒げて、再度中央に向かうが、今度は草むらから敵チームのポケモンの奇襲を受ける(草むらに入ると姿を隠せる)。突然姿を現した敵ポケモンに慌てふためく筆者。混乱する思考。そうして選ばれたのが、また逃げの一手だった。
敵に立ち向かわない臆病者。そう思われても仕方がないような腰抜けムーブをかました挙句、背中の傷がさらに増え、復帰直後にあっけなくKOされてしまう。
そこからは、ただ倒され続けた記憶しかない。復帰しては倒され、復帰しては倒される。ごめんねファイアロー。辛かったよね。
そんな足手まといがいたのだから、試合の結果は言うまでもないだろう。ボッコボコのヌッタンヌッタンである。まずは、ポケモンのわざの理解や間合いの把握から始めようと思った。
また、おそらく「チームユナイト」のメンバーは、開発中に何度も一緒にテストプレイしている仲間だろう。別室での参加だったので確認はできないが、チーム内でのコミュニケーションもしっかり取れていたに違いない。
当たり前のことだが、よっぽど相性の良い敵と戦うとき以外は、基本的にうまく数的有利を作れるよう立ち回るべきである。そのためには、自分の状況や敵ポケモンの位置など、情報の共有が必要だ。チーム競技すべてに言えることかもしれないが、コミュニケーションの重要さを改めて痛感させられた。
サンダーを撃破! 「チームユナイト」の手加減で連敗は回避
第2試合では、早期ダウンロード特典でゲットできる「ゼラオラ」をチョイス。スピード型の起動能力に長けたポケモンだ。
第1試合でコミュニケーションの大事さを痛感したわけだが、コミュ障で人見知りの筆者が初対面のメンバーに対して積極的に発言するのは正直難しい。そのため筆者が取った手段は「とにかく味方についていくこと」だ。左上のマップには味方の位置と、見方から見えている敵の位置が表示されるので、常にそこを確認しながら、数的有利を作りにいった。
今回は敵との間合いも意識しながらプレイ。しかし、逆に意識しすぎてしまい、攻撃がおろそかになってしまった気がする。攻めと守りのバランスがなかなか難しい。
特に混戦してくると、何をしていいのかわからなくなってしまい、ただウロチョロしてしまうことが多かった。味方チームのメンバーからは「何やってんだ、援護しろ」と思われたことだろう。
第1試合でメディアチームをボコボコにした「チームユナイト」だが、さすがに毎試合全力でつぶしにかかってくることはなく、今回は手加減をしてくれたようだ。こちらが右往左往していても、攻撃の手を緩めてくれる。
「チームユナイト」の手加減もあり、メディアチーム優勢で試合が進んだ。残り2分で出現するサンダーもメディアチームが見事に倒し、連続得点を決めた。
だが、結局、筆者がゴールを決めたのはサンダーを倒した直後の1回のみ。立ち回りを理解できないまま終わってしまった印象だ。試合時間10分は意外と短く感じた。
負けたし、ゼロゴールだったけど、ポケモンたちとワチャワチャして楽しかった3試合目
3試合目は、会場の入り口でお出迎えしてくれたポケモンたちが応援に駆けつけてくれた。ポケモンたちに囲まれながら『ポケモンユナイト』をプレイ。なんだか幸せな気分になる。
試合に出すポケモンは「ディフェンス型」のカビゴン、君に決めた。夏にぴったりのホロウェア「ビーチスタイル」での参戦だ。
試合がスタートしても、ポケモンたちは会場内を動き回り、メディアチームを応援してくれていた。というか、わりとちょっかいを出してきた。特にピカチュウは、近くにいる間、ずっと筆者をツンツンしてくる。呼んでいるのかなとと思い、振り向くと、ピカチュウもプイッと後ろを向き、知らんぷり。あらやだ、かわいい。そのあとも、「ツンツン」と「プイッ」の繰り返し。ユナイトバトルで思うように立ちまわれず、すさんでしまった心が、浄化されていくのが分かった。
その次は、カビゴンが興味深そうにのぞいてきたので、「ほら、いまカビゴン使ってるよ」と、画面を見せる。もちろん、そんな余裕をかませるような試合展開ではないが、会場にいるカビゴンは動き回るのが苦手だからか、長時間同じ場所にいたので、一緒にプレイすることにした。また、ゼラオラは、あまりちょっかいを出さずに見守るスタイル。後ろからプレイの状況をジッと眺めていた。
そんな感じでポケモンと戯れていたら、試合時間がいつのまにか残り2分になっていた。一直線でサンダーが出現するレジェンドピットへ向かい、とにかく無我夢中で攻撃。すると、見事サンダーを撃破できた! 「これは今回も一気に大量ポイントゲットのチャンスだ」と思ったら、ゴール手前、サンダー戦で手負いの状態を敵チームに狙われ、無残にもやられてしまう。なんということでしょう。せっかくのチャンスを無駄にしてしまいました。
しかも、カビゴンと一緒にプレイしていたら、ゴール数ゼロ……。完全に戦犯である。大変申し訳ございませんでした。でも、ポケモンたちとユナイトバトルができて幸せだった。
今回の試遊会では、「チームユナイト」にボコボコにされ、ハイレベルな戦いを目指すには、わざの理解や間合いの把握、チームメイトとの連携、立ち回りなど練習が必要だと思い知らされた。だが、同時に操作自体は簡単で初心者でも十分に楽しめると実感。定型メッセージやボイスチャット、フレンド登録など、友だちと楽しむための機能も充実しているので、チームとして強さを目指すことはもちろん、気の置けない仲間とワイワイ遊ぶこともできるだろう。
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