今回は、東京都江東区にあるオートバックスの旗艦店「A PITオートバックス東雲(しののめ)」を訪ね、ドライブレコーダー(ドラレコ)の売れ筋を聞き込みました。

同店は、2019年11月にも「ドラレコ人気に大変動、車内や側面も撮れる360度タイプが急伸」で取材しています。当時は、常磐道でのあおり運転事件によりドラレコの重要性が世間に強く認識された時期で、売り上げが急激に伸びていました。あれから2年近くが経ちましたが、その後もドラレコの売れ行きは右肩上がりを続けているそうです。

同店のカーライフアドバイザー・山本崇人氏は「ドラレコの重要性が浸透したのに加え、コロナの影響で公共交通機関を使いたくない、という人が増えたのも背景にあるかもしれません。需要は確実に伸びていますね」といいます。

  • A PITオートバックス東雲のドラレコ売り場。カーライフアドバイザー・山本崇人氏にナビゲートしてもらった

それでも、売れ筋製品のトレンドは2019年から変化していました。以下の「ドラレコ選び、3つのアドバイス」を踏まえて、売れ筋モデルを追いかけていきましょう。

<ドラレコ選び、3つのアドバイス>

  • 前後撮影タイプが現在のスタンダード。車内や側面もカバーできる360度タイプは、リアカメラとのセットモデルが支持を集めている。
  • 画素数は前後とも200万画素以上が理想。暗がり撮影に強い「STARVIS(スタービス)」センサー搭載機が人気。
  • 取り付け作業の工賃はタイプや車種で変わるが、作業時間はおよそ2~3時間。目安を把握してから来店しよう。
  • 同店のドラレコ取り付け作業工賃。輸入車は国産車と比べて高めだ

※本文と写真で掲載している価格は、2021年7月1日13:00時点のもの。日々変動しているので、参考程度に見てください。

第1位:トレンドを押さえて高コスパな「carrozzeria VREC-DH300D」

一番人気に挙げたのは、パイオニア(カロッツェリア)の前後タイプ「carrozzeria VREC-DH300D」でした。フロント370万画素、リア200万画素のカメラを備え、両カメラともSTARVISを備えています。取材時の価格は25,080円。

「解像度と暗部撮影のトレンドを高水準で満たしながら25,000円前後という割安感もあり、初めてドラレコを付ける方の定番モデルになっていますね。現在は『初めてのドラレコは前後タイプ』という傾向があり、万人受けしています」

  • パイオニア「carrozzeria VREC-DH300D」

  • 液晶パネルは3インチと大きめで見やすい

第2位:セーフティレーダー連動機能を備える「CS-91FH」

続く2位も前後タイプです。セルスター工業の「CS-91FH」。200万画素でSTARVIS採用のカメラを前後に採用し、同社のセーフティレーダーとケーブルでつないで連係できる特徴を備えています。価格は41,580円。

「GPSや安全運転支援も備えた高機能なモデルです。セーフティレーダーの買い替えも兼ねて、セットで購入する方も多くいらっしゃいます」

  • セルスター工業「CS-91FH」

  • GPSを利用し、オービスのある場所に接近したことを知らせる機能も持つ

第3位:オープンカーで指名買いされる「CS-360FH」

3位にもセルスター工業のモデルがランクインしました。フロントに取り付ける本体の前後にカメラを搭載した360度タイプ「CS-360FH」で、価格は43,780円。前後とも解像度は200万画素で、STARVISを採用しています。

「最近は、360度カメラでもリアカメラとの組み合わせが人気ですが、オープンカーなどでリアに取り付けられない車種の方はこちらをよく選ばれます。1位2位と比べてニッチな製品ですが、それでも上位に入るくらいに売れています」

  • セルスター工業「CS-360FH」

  • 後方を向いたカメラは車内の様子を撮影できるほか、オープンカーの設置に向く

第4位:360度&リアの一番人気「ZDR037」

360度カメラ&リアカメラの組み合わせでは、4位に入ったコムテックの「ZDR037」の人気が目立っています。360度カメラは800万画素、リアカメラは200万画素で、ともにSTARVISを採用。価格は52,580円となります。

「360度&リアタイプは、幅寄せやすり抜け接触などでひやりとした経験をお持ちの方や、駐車中に車上荒らしやイタズラをされる心配が募るという方に支持されている印象がありますね」

  • コムテック「ZDR037」

  • 360度カメラのレンズは下向きに搭載している

第5位:高コスパな前後モデル「Y-210R」

5位は、ユピテルの前後タイプ「Y-210R」です。前後とも200万画素のSTARVIS搭載カメラを採用し、価格は23,980円となります。

「高コスパな前後タイプという点はVREC-DH300Dと共通していますが、こちらは長らくユピテルのドラレコを使い続けている方に人気があります。今モデルからmicroSDカードの定期的なフォーマットが不要になったのも評価されていますね」

  • ユピテル「Y-210R」

はみ出し情報…デジタルインナーミラー型の人気が急上昇

まだランキング上位には入っていませんが、デジタルインナーミラーをモニターとして採用したタイプも最近は人気が高まっているそうです。「2021年に入って各社が本格的に参入し、盛り上がってきています。仕事やプライベートで荷物をよく積むという方、後ろの死角が気になるという方によく売れていますね」

なかでも人気があるのは、DreamMakerの「DMDR-27」とのこと。200万画素でSTARVIS搭載のカメラを前後に採用し、価格は36,300円となります。

  • インナーミラータイプが並ぶ一角

  • DreamMaker「DMDR-27」