ディーアンドエムホールディングスは、英B&W(Bowers & Wilkins)の初となる完全ワイヤレスイヤホン2機種を6月25日より順次発売する。価格はオープンプライス。店頭予想価格は「PI5」が27,280円前後。充電ケースがBluetoothトランスミッターにもなる上位機種「PI7」は44,000円前後。

  • PI7

  • PI5

4月にオンライン開催された「春のヘッドフォン祭2021 ONLINE」などで参考出品されていた製品で、今回発売日や価格などの情報が正式に決まったかたち。カラーはどちらもチャコールとホワイトの2色展開で、PI7のホワイトのみ7月下旬発売を予定している。

  • B&W初の完全ワイヤレスイヤホン。「春のヘッドフォン祭2021 ONLINE」で参考出品されていた

ピュアオーディオスピーカーの人気ブランドとして知られるB&Wは、1966年に英国で設立。ビートルズで有名なアビー・ロード・スタジオをはじめ、多くのレコーディングスタジオに同ブランドのスピーカーがリファレンススピーカーとして採用されている。

PI7とPI5は、「B&Wが誇る絶対的なパフォーマンス“True Sound”を完全ワイヤレス・ヘッドフォン・カテゴリーにもたらすために、異例とも言える期間をかけて開発された」とのこと。サウンドチューニングはアビーロード・スタジオのモニタースピーカーとしても知られる最上位スピーカー「800 Series Diamond」を手掛けたチームが担当している。

両製品のために専用開発した、独自カスタムの9.2mm径ダイナミック型ドライバーを搭載。PI5はこのドライバー1基をフルレンジで使うが、上位機のPI7は高域再生用のバランスド・アーマチュア(BA)ドライバー1基をツイーターとして加えた2ウェイ構成で、9.2mmドライバー/BAドライバーを別々の専用アンプで駆動するバイアンプ駆動を採用しているのが大きな違いだ。PI7ではバイアンプ駆動にアドバンスドDSPを組み合わせ、「卓越したコントロール、最上級のダイナミクス、深みのある正確な低音」を実現するという。

対応コーデックにも違いがあり、PI7はaptX、aptX HD、aptX LL(Low Latency)に加え、最新のaptX Adaptiveコーデックにも対応し、最高48kHz/24bitまでの高音質再生が可能。PI5はaptXまでの対応となり、CDクオリティのサウンドが楽しめるという。なお、コーデックは上記以外にSBCとAACもサポートする。

PI7は、aptX Adaptive対応のモバイル機器から同コーデックでマスター側のイヤホンにオーディオ信号を送信し、マスター側からスレーブ側(左右間)はNFMI(Near-field Magnetic Induction)通信を用いて48kHz/24bitのまま信号を伝送可能。「再生機器から耳に届くまでのすべての経路を24bitで伝送できる数少ない完全ワイヤレスイヤホン」と説明している。PI5は、TWS+(True Wireless Stereo Plus)技術を採用して高品質で安定した通信を追求した。

  • PI7(チャコール)

PI7はユニークな機能として、付属の充電ケースにBluetoothトランスミッター機能を搭載。付属の3.5mmステレオミニケーブル、またはUSB Type-Cケーブルで再生機器と接続することで、再生機器のオーディオ信号を低遅延・高音質なaptX LLコーデックでPI7にワイヤレス伝送できる。

  • PI7(ホワイト)のケース上部

どちらもノイズキャンセリング(NC)機能とアンビエントパススルー(外音取り込み)機能を搭載。左右それぞれにPI7は3基、PI5は2基の通話・NC用マイクを内蔵しており、PI7は周囲の環境に応じて最適な処理を行う「アダプティブ・ノイズキャンセリング機能」も利用できる。

両機種の設定は「Bowers & Wilkins Headphones」アプリから行える。また、本体ボタンの長押しで音声アシスタントのSiriやGoogleアシスタントを呼び出し、スマホに触れずにさまざまな操作が行えるという。

Bluetooth 5.0に準拠。複数のデバイスをペアリングし、スマホの音楽再生からPCでのオンライン会議に素早く切り替えるといった再接続が簡単に行えるという。Android端末と初回のペアリング作業が簡単に行える「Google Fast Pair」もサポートする。

  • PI5(ホワイト)

  • PI5(チャコール)のケース上部

イヤホン本体の連続再生時間はPI7が4時間、PI5が4.5時間。充電ケースのバッテリー持続時間はPI7が16時間、PI5が20時間。どちらも15分間の充電で2時間音楽が聴ける急速充電に対応する。

イヤホンはいずれもIP54等級の防塵防滴対応。装着検出センサーを両側に内蔵し、耳からの着脱に合わせて電源オン/スタンバイを自動で切り替え、バッテリーを節約できるという。充電ケースはUSB Type-Cの有線充電に加え、ワイヤレス充電にも対応する。イヤホンの重さはPI7が7g、PI5が8g。充電ケースの重さはPI7が61g、PI5が47g。

なお、今回の完全ワイヤレスイヤホン2機種の発表に合わせ、TwitterではBowers & Wilkinsの日本公式アカウントが開設されている。