NTTドコモは6月14日、複合現実(MR)用ヘッドマウントディスプレイ「Magic Leap 1」を用いた、保守業務向け遠隔作業支援ソリューションを開発したと発表した。まずはドコモのネットワーク保守業務で試験運用を開始し、各機能の使い勝手や改善点の洗い出しを行う予定。
MRは、ゴーグルやスマートグラスなどのデバイスを装着することで、実際に見えている現実世界の上に仮想世界を重ねて表示する技術である。同社は同ソリューションについて、サーバの保守業者やインフラ事業者などによる、施設や機材の保守での活用を見込んでいる。遠隔地にいる支援者は、PCの映像や音声から現地の状況を把握し作業の指示を出す。現地の作業者は「Magic Leap 1」を装着し、隣でアドバイスを受けているような精度で作業できるようになるという。
同ソリューションでは、支援者は遠隔地のPCアプリからMR空間上に矢印の配置や描画を行える「空間ポインティング機能」を使用可能で、実際に現地にいるように指示が出せる。また、MR空間上に手順書を表示し、作業しながら手順を確認できる「3Dフロー機能」も搭載している。MR技術である空間認識能力を活用することで、作業の対象を邪魔しない位置に手順書を表示できる。
施設や機材の保守には、人為ミスを減らすためにクロスチェックが必要だが、チェックするスタッフも現地にいる必要があり、さらに、正確なチェックを行える熟練者も減少している。しかし、同ソリューションを利用することで、熟練者が遠隔地からクロスチェックをできるようになり、正確な現地対応が可能になるとのこと。
同ソリューションは2021年6月16日(水)から同18日(金)まで開催されるオンラインイベント「Japan IT Week オンライン」に出展される予定。