東急不動産と鹿島建設は6月8日、両社が共同で推進中の旧九段会館を一部保存しながら建て替える(仮称)九段南一丁目プロジェクトにおいて、さまざまな社会課題を解決する次世代型のオフィスを提供すると発表した。「健康」「安心・安全」をテーマに、アフターコロナにおいて都心部に求められる持続可能な新しい働きかたを実現し、SDGsへの貢献も目指すとしている。

  • 外観 屋上庭園イメージ

この取り組みがオフィスワーカーや入居企業に提供する価値は、「こころと身体の健康、職場でのつながりを実現する新コンセプトの職域食堂」「こころと身体の健康に配慮し、入居企業のダイバーシティ経営を推進する付帯施設」「感染症と大規模災害の両方に備えたBCP(事業持続計画)」の3点 。

同物件はこれらの価値提供に向けて、東急不動産ホールディングスグループのイーウェルと、物件に入居するクリニックが連携し健康経営をサポートしていく考え。イーウェルのアドバイスに基づいたハード面での健康経営サポート施設に加え、「健康経営優良法人認定」を目指す入居企業に対しては、イーウェルが提供するコンサルティングサービスによるサポートが可能になるとしている。

同物件内に開業される予定のシェアオフィスでは、モノサスの「ものさす社食研」と連携し、オフィスワーカーと地域に開かれた新コンセプトの職域食堂を設置する。新コンセプトの職域食堂は、全国の農家から直接仕入れる産地直送のオーガニック食材を中心に利用し、栄養面だけでなくこころも豊かになる食事の提供を目指す。

さらに、同物件内には、内科、皮膚科、歯科、耳鼻科、薬局などが集まるクリニックモールを設置し、オフィスワーカーの健康サポートを促進する。利用者は、クリニックからのアドバイスに基づいた健康的な食事や運動を物件内で実践でき、働きながら心と身体の健康改善を目指せる。

感染症対策として、ICカードをフラッパーゲートにかざすことでエレベーターが自動で呼び出される仕組みが導入され、非接触でのフロア移動が可能となる。また、万一の災害に備えた取り組みとして、入居企業用の防災備蓄品(毛布や飲料水など)が5日分確保されている。テナント専有部、およびトイレやエレベーターなどの共用部に供給できる非常用電源を120時間(5日間)分確保しており、有事の際には利用可能となる。