HTCは5月12日、インサイドアウトトラッキングを採用したスタンドアロン型のVR(仮想現実)ヘッドセット「VIVE Focus 3」を発表した。展示会やマーケティングキャンペーン、建築、クリエイティブワーク、トレーニングといったビジネス利用向けに設計されており、5K対応で120度の広視野角のディスプレイ、Qualcomm Snapdragon XR2プラットフォーム、交換可能なバッテリーを搭載。重さの偏りがなく楽に使用し続けられるバランスの取れたデザインを採用している。価格は130,900円、発売時期については「Coming soon」となっている。
最大の強化点であるディスプレイは、デュアル2.88インチLDCパネルで、解像度は片眼2,448 x 2,448ピクセル(両眼4,896 x 2,448)に向上した。視野角は120度、90Hzのリフレッシュレートに対応する。2019年発売の「Vive Focus Plus」は、両眼2,880 x 1,600ピクセル、リフレッシュレートは75Hzだった。
装着した時に側面になるヘッドバンド部分に、デュアルドライバーによるスピーカーを装備し、3D空間サウンドを提供する。スピーカーは音漏れを低減した指向性のある設計になっており、プライバシーモードによってミーティングなどでは会話のプライバシーを保てる。ハイレゾ出力対応の3.5mmオーディオジャックも用意されており、それを利用することでさらに完全な没入感のあるVR体験が可能になる。
ビジネスの現場ではひんぱんな着脱や長時間の利用が起こる。Focus 3は、クイックリリースボタンで簡単に着脱でき、ヘツドセットのクッションもマグネットですばやく取り外して交換できる。個人用のクッションを用意し、1つのヘッドセットを複数で衛生的に共有するといった使い方が可能になる。フェイシャルインターフェースは150ミリ幅で、幅広い眼鏡にも対応できる。
バッテリーは26.6Whで、最大2時間の連続使用が可能。30分で最大50%まで高速に充電でき、バッテリーの交換にも対応する。バッテリーは後頭部に当たる部分にマウントされ、VRヘッドセット本体と後部のバッテリーによって前後でバランスよく重さが分散するカウンターバランスによって、快適に使用し続けられる。
他の仕様は、デュアルマイク、USB 3.2 Gen-1 Type-Cポート×2、Bluetooth 5.2+BLE、W-Fi 6など。付属するVIVE Focusコントローラーは6DoF対応で、人間工学的に基づいて配置されたボタンとトリガー、タッチセンサーが直感的かつ正確な制御を可能にする。コントローラーのバッテリー駆動時間は最大15時間。