iCloudストレージの空き容量が厳しくなってきたのでiCloudメールの受信トレイを整理整頓したものの、期待したほどには空きが回復しなかったのですね? それはおそらく、「対象のiCloudメールを削除しきれていないこと」が原因です。

iCloudメールは、IMAP(Internet Message Access Protocol)という方式でメッセージを管理します。すべてのメッセージはメールサーバで保管され、必要なときスマートフォンやパソコンに(一部を)ダウンロードすることで閲覧を可能にします。iCloudメールのメールサーバは保管領域にiCloudストレージを使用するため、iCloudメールを使えば使うほどiCloudストレージを消費することになります。

ファイルが添付されたメッセージは特に注意が必要です。インターネットメールが扱えるのはテキストのみのため、添付ファイルは送信時にテキストへと変換(符号化)されますが、符号化はデータサイズを約1.3倍に増加させます。たとえば、5メガバイトの写真が添付されたメールは、本文などもあわせると7メガバイト程度にまで膨らむのです。

だからファイルが添付されたメッセージを中心に削除作業を進めれば、iCloudストレージの空き領域は回復しますが、それでじゅうぶんではありません。

IMAPでは、受信したメッセージだけでなく送信したメッセージもメールサーバに保存します。つまり、受信トレイだけでなく送信トレイの内容も確認して不要なメッセージを削除しなければ、iCluoudストレージの空きは期待ほどには回復しません。

さらに、削除したメッセージはすぐには削除されず、いちど「ゴミ箱」へと移されます。削除したつもりのメッセージが実は一定期間経過後に完全削除されるまでの待機状態という意味ですから、急いでストレージの空きを回復させたい場合は、ゴミ箱の中身も削除しましょう。

  • メールを削除してもiCloudストレージの空きがあまり回復しない場合には