MicronのCrucialブランドで人気のポータブルSSD「Crucial X6 Portable SSD」(以下Crucial X6)に500GB(CT500X6SSD9)と4TB(CT4000X6SSD9)が追加された。1TBと2TBモデルは2020年10月に発売がスタートしており、2TBモデルは本誌でもレビューを行っている。
今回は4TBモデルを試用する機会を得たので、2TBモデルおよび同社の高速ポータブルSSD「Crucial X8 Portable SSD」の2TBモデルと性能差を確かめてみる。
相変わらずの小型・軽量、さらに容量アップ
Crucial X6の魅力は小型、軽量であること。サイズは幅69mm×奥行き11mm×高さ64mmで、これは全容量で共通。重さは40g未満で、筆者の実測ではぴったり40gだった。4TBモデルでも変わらないサイズと軽さを維持しているのは正直驚きだ。ボディも頑丈で落下耐性は最高2mとなっている。
追加された4TBは、その容量だけではなく読み出し速度が最大800MB/秒と高速なのも特徴だ(ほかの容量は最大540MB/秒)。インタフェースはUSB 3.1 Gen2(10Gbps)のType-Cで、付属のケーブルは両端がType-Cのタイプ。対応するデバイスはWindows PC、Mac、Android、PS4、PS5、Xbox One、Xbox Series S|Xとなっている。保証は3年間。
なお、同社からはポータブルSSDとして「Crucial X8 Portable SSD」(500GB/1TB/2TBモデルをランナップ)が発売されているが、サイズこそ一回り大きいが、読み出し速度は1,050MB/秒と高速だ。
実機性能をテスト、さらなる速度向上を確認
ここからは実際の速度をチェックしてみよう。テストにはCrystalDiskMark 8.0.1を利用する。テスト環境は以下の通りだ。
■テスト環境 | |
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CPU | Intel Core i7-10700K(8コア16スレッド) |
マザーボード | MSI MPG Z490 GAMING CARBON WIFI(Intel Z490) |
メモリ | Micron Crucial Ballistix RGB BL2K8G36C16U4BL(DDR4-3600 8GB×2、※DDR4-2933で動作) |
ビデオカード | CPU内蔵グラフィックス(Intel UHD Graphics 630) |
システムSSD | Corsair Force Series MP600 CSSD-F2000GBMP600(M.2/PCI Express 4.0 x4、2TB、※PCI Express 3.0 x4で動作) |
OS | Windows 10 Pro 64bit版 |
Crucial X6 4TBモデルのシーケンシャルリードは817.21MB/秒、シーケンシャルライトは811.35MB/秒と読み出し、書き込みとも高速だ。Serial ATA接続のSSDを超える速度となっており、大容量データの持ち運びにも余裕で対応できる。この速度があれば、ゲームのインストール先として使ってもよいだろう。2TBモデルから、シーケンシャルリードで約1.4倍、シーケンシャルライトでは約2.1倍もの速度向上を果たしている。
Crucial X8はシーケンシャルリード、ライトとも1,000MB/秒超えとさすがに高速だが、ラインナップは2TBまで。速度を重視するならCrucial X8、小ささと最大容量ならCrucial X6を選ぶのがよいだろう。
続いてPS4の拡張ストレージとして接続した場合のゲームの起動とロード時間がCrucial X6 4TB、Crucial X6 2TB、Crucial X8 2TBでどう変わるかチェックしてみたい。比較用として標準のHDDも加えている。使用したのは薄型PS4(CUH-2100)で、ゲームは「モンスターハンターワールド:アイスボーン」を用意した。起動とロードをストップウォッチで3回測定したときの平均を掲載している。
薄型PS4のUSBポートは、USB 3.0(5Gbps)なので各モデルとも最大速度を活かしきることができないため、速度差はほとんどない。どれも標準のHDDよりも大幅に起動とロード時間を短縮できている。そして、Crucial X6の4TBモデルなら、ゲームのインストール容量を大幅に増やせるのは大きな強みだ。
Crucial X6は2TBまでのモデルでも十分なほど小型で高速なポータブルSSDだったが、より高速で大容量の4TBモデルが追加されたことで、魅力をさらにアップさせた。外付けストレージの万能選手と言ってよい完成度だろう。