3月16日、いよいよデスクトップ向け第11世代Intel Coreプロセッサシリーズがベールを脱ぎました。対応プラットフォームはIntel 500シリーズチップセットとなっており、PCパーツメーカー各社は3月30日の発売日に先行する形で続々と対応マザーボードを展開しています。今世代のIntel向けマザーボードの大きな進化点は、PCI Express 4.0対応が大きなトピックになるでしょうか。第10世代向けの製品でもソケットとチップセットに互換性があり、一部「PCIe 4.0 Ready」をうたう製品もありますが、Intel 500シリーズで第11世代向けとして正式対応したことになります。
今回はそんなIntel Z590マザーボードについて、ASUS製品に凝らされた進化ポイントをご紹介。製品の実物をASUS JAPANのオフィスでじっくり見てきたので、その写真もご覧ください。
電源も冷却も機能性も全方位で向上
まず前置きとして、以下で紹介する特徴が製品によって異なることをご承知ください。さっそくCPUやマザーボードに供給する電源の品質を高めたパワーデザインからチェックしていきましょう。VRMには45Aの処理に対応するマイクロフォン合金チョークを採用したほか、入出力フィルタリングには10K日本製キャップを搭載。EPS 12VやATX電源コネクタには、サーバーグレードの堅固な接続を保証するという「PRO COOL II電源コネクタ」を用います。
CPUの性能向上に伴って発熱量が増大している他、PCIe 4.0対応によってSSDの発熱も増加。これに対処するべく、ASUSではヒートシンクの重量を1.7倍、ヒートシンク面積を1.6倍に大型化するという思い切ったアップグレードで対応しています。リアI/Oカバーをヒートシンクとしても用いる設計は昨今よく見られていますが、M.2ヒートシンクの大型化はかなりのもの。
また、M.2スロットにツールレスでSSDを固定できる独自の「ASUS Q-Latch」の採用も見逃せません。ネジやドライバーが必要なくなれば、M.2 SSDの取り付けはカセットのように手軽なものになりそうです。ASUS Q-Latchの採用には若干奥行きが必要になるとのことで、極めてタイトな設計の一部ハイエンド製品では非搭載となっています。
ゲーミングデバイスとしての体験に直結するオーディオ機能も大幅強化。独自ユーティリティ「Armoury Crate」にはさまざまなAI機能が統合されており、オーディオ面では「双方向AIノイズキャンセリング」を利用できます。マイクなどの入力音声のバックグラウンドノイズを低減する他、着信音声にもノイズキャンセリングを適用できるという優れもので、CPU負荷も最小限に抑えられているとのこと。オーディオのハードウェアとしてはASUS独自の「SUPREME FX」を搭載し、Z490モデルからDACなどのコンポーネントを一新しています。
オーディオコンポーネント | CODEC | DAC | ヘッドホンアンプ |
---|---|---|---|
ROG MAXIMUS Z590 | ALC4082 | ESS SABRE9018Q2C | NA |
ROG MAXIMUS Z490(旧モデル) | S1220 | ESS SABRE9023 | NA |
ROG STRIX Z590 | ALC4080 | NA | SAVITECH SV3H712 AMP |
ROG STRIX Z490(旧モデル) | S1220A | NA | Dual AMPs |
機能面の紹介はこのあたりにしておいて、ASUS JAPANでみてきた実機をご紹介。たくさんあったので、すでに発売されている・発売日が近い順に、ハイエンドな製品から並べていこうと思います。
ROG MAXIMUS XIII HERO
ROG STRIX Z590-E GAMING WIFI
ROG STRIX Z590-F GAMING WIFI
TUF GAMING Z590-PLUS
TUF GAMING B560-PLUS WIFI
ROG STRIX Z590-I GAMING WIFI
特に興味深かったのはMini-ITXの「ROG STRIX Z590-I GAMING WIFI」。個人的にASUSといえば"無難ハイパフォーマンス"という印象で、あまり"変態設計"という感じはありませんでしたが、なんとこの製品はドーターボードでオーディオとM.2スロットを拡張している"2階建て構造"。配線が階下を貫くように伸びており、いわゆる屋上部にあたるLEDを光らせるとのこと。かなりゴチャゴチャと物量感があり、凝った感じは所有欲も満たせそうです。