米Intelは3月16日(現地時間)、デスクトップPC向けの新世代CPUとして、「Rocket Lake-S」の開発コードネームで知られていた第11世代Intel Coreシリーズを発表した。性能面では前世代比でIPCが19%向上したほか、新たなオーバークロック機能なども追加し、より高度なクリエイティブワークやゲーム体験が可能になるとしている。

  • Rocket Lake-SことデスクトップPC向け第11世代Intel Coreがついに発売へ

    Rocket Lake-SことデスクトップPC向け第11世代Intel Coreがついに発売へ

Rocket Lake-SのCPUコアには、製造プロセスは14nm世代だが、動作クロックの上限が高く、IPC(クロックあたりの性能)が前世代よりも最大19%向上したというCypress Coveコアを新採用。また、Xeアーキテクチャベースのグラフィックス機能を統合したことで、GPU性能を最大50%引き上げたとしており、Resizable BARにも対応。ほかPCIe Gen4に対応し、CPUからのPCIe Gen4レーン数は最大20レーン。メモリはDDR4-3200をサポートする。

  • Rocket Lake-Sの主な改良点

  • 競合するAMD Ryzenとのゲーム性能の比較も公開している

製品ラインナップは以下の表の通り。販売は国内では3月末頃から始まると見られる。最上位モデルに相当する「Core i9-11900K」は、8コア/16スレッドの構成をとり、動作周波数は最大5.3GHz、グラフィックスに32EUのIntel UHD Graphics 750を統合し、TDPは125Wというスペックだ。なお、各モデル名末尾の「K」はアンロック、「F」はiGPU無し、「T」は省電力版、「KF」はアンロックかつiGPU無しを表している。

■表 Rocket Lake-Sのラインナップ
モデル ベースクロック 最大クロック コア/スレッド L3キャッシュ iGPU TDP 参考価格
i9-11900K 3.5GHz 5.3GHz 8/16 16MB UHD 750 125W 539ドル
i9-11900KF 3.5GHz 5.3GHz 8/16 16MB 125W 513ドル
i9-11900 2.5GHz 5.2GHz 8/16 16MB UHD 750 65W 439ドル
i9-11900F 2.5GHz 5.2GHz 8/16 16MB 65W 422ドル
i9-11900T 1.5GHz 4.9GHz 8/16 16MB UHD 750 35W 439ドル
モデル ベースクロック 最大クロック コア/スレッド L3キャッシュ iGPU TDP 参考価格
i7-11700K 3.6GHz 5.0GHz 8/16 16MB UHD 750 125W 399ドル
i7-11700KF 3.6GHz 5.0GHz 8/16 16MB 125W 374ドル
i7-11700 2.5GHz 4.9GHz 8/16 16MB UHD 750 65W 323ドル
i7-11700F 2.5GHz 4.9GHz 8/16 16MB 65W 298ドル
i7-11700T 1.4GHz 4.6GHz 8/16 16MB UHD 750 35W 323ドル
モデル ベースクロック 最大クロック コア/スレッド L3キャッシュ iGPU TDP 参考価格
i5-11600K 3.9GHz 4.9GHz 6/12 12MB UHD 750 125W 262ドル
i5-11600KF 3.9GHz 4.9GHz 6/12 12MB 125W 237ドル
i5-11600 2.8GHz 4.8GHz 6/12 12MB UHD 750 65W 213ドル
i5-11600T 1.7GHz 4.1GHz 6/12 12MB UHD 750 35W 213ドル
i5-11500 2.7GHz 4.6GHz 6/12 12MB UHD 750 65W 192ドル
i5-11500T 1.5GHz 3.9GHz 6/12 12MB UHD 750 35W 192ドル
i5-11400 2.6GHz 4.4GHz 6/12 12MB UHD 730 65W 182ドル
i5-11400F 2.6GHz 4.4GHz 6/12 12MB 65W 157ドル
i5-11400T 1.3GHz 3.7GHz 6/12 12MB UHD 730 35W 182ドル
  • Rocket Lake-SベースのCore i9とCore i7のスペック一覧

  • Rocket Lake-SベースのCore i5のスペック一覧

Rocket Lake-Sの対応チップセットとなるIntel 500シリーズでは、Intel Z590、Intel H570、Intel B560をラインナップ。今回は、高性能なZシリーズだけでなく、普及帯のH/Bシリーズにおいても、新たに一部(メモリ動作)のオーバークロック機能を提供する。オーバークロック利用の裾野をメインストリーム・エントリークラスのユーザーに拡げる狙いがあるとしている。GUIで設定できるオーバークロックツール「Intel Extreme Tuning Utility」も新たに提供する。

  • Intel H570とIntel B560でもメモリのオーバークロック機能が使えるようになった