米Qualcommは3月25日(現地時間)、7シリーズの新製品「Snapdragon 780G 5G Mobile Platform」を発表した。第6世代のAIエンジン、トリプルISP(イメージ信号プロセッサ)、Wi-Fi 6E対応など、Snapdragon 888世代の機能や体験をミッドレンジに広げる5G対モバイルチップになっている。2021年第2四半期に搭載デバイスが登場する見通しだ。
2019年12月に発表された現在の7シリーズの「Snapdragon 765/765G」は、Snapdragon 865世代のスペックや技術をベースにしている。765GはAIとグラフィックスの性能を引き上げたモデルで、さらに昨年5月にモバイルゲーミング向けにグラフィックスを強化した「Snapdragon 768G」が追加された。
5nmのプロセスルールで製造されるSnapdragon 780Gは、CPUが最大2.4GHz駆動の「Kryo 670」。前世代から処理性能が最大40%向上している。グラフィックスは「Adreno 642」。アップグレード可能なGPUドライバ、10-bit HDRゲーミングなど、本格的なゲーミング体験をモバイルで実現するためのSnapdragon Elite Gamingの機能に最適化されている。AIエンジンは「Hexagon 770」を搭載する。第6世代でAIエンジンの再設計が行われており、Hexagon 770の演算能力は前世代のおよそ2倍、最大12 TOPSだ。通話やビデオチャットのノイズ抑制、音声アシスタントといったAIを活用した機能の体験が向上し、第2世代のSensing Hubとの組み合わせによってより効率的に動作する。
7シリーズでトリプルISPに対応するのはSnapdragon 780Gが初。3つのカメラからのキャプチャを同時に処理できる。低照度環境向けに新たなアーキテクチャを採用。最大192メガピクセルの画像撮影、HDR10+、単一カメラでの84メガピクセル/30fpsでの撮影、720p/480fpsでのスローモーション撮影などをサポートする。
5Gモデムは「Snapdragon X53 5G Modem-RF System」。sub-6の最大ダウンロード速度は3.3Gbps。「FastConnect 6900 Connectivity System」を備え、Wi-Fi 6E、Bluetooth 5.2、Bluetooth AudioとSnapdragon Soundテクノロジなどをサポートする。