ダイキン工業は3月1日、空気清浄機の新モデル「UV ストリーマ空気清浄機 ACB50X-S」(以下、ACB50X-S)を発表しました。新製品はダイキン独自のストリーマ技術に加えて、深紫外線を照射する「UVCLED」と「抗菌HEPA フィルター」を搭載。従来製品よりもウイルスや菌の抑制性能を高めています。発売は4月26日、売価格は154,000円です。ここでは、プレス向けに行われたオンライン発表会をレポートします。
深紫外線UVC LEDを業界ではじめて搭載した空気清浄機
ダイキンの空気清浄機といえばストリーマ技術が特徴。ストリーマとは、空気清浄機内に電子を放出することで、空気中の窒素や酸素と電子が衝突・合体し、4種の分解素を生成します。この分解素によって、空気清浄機に吸い込んだウイルスやカビ、花粉をはじめとするアレル物質を抑制する技術です。
新製品のACB50X-Sはこのストリーマ技術に加え、波長265nmという短い波長の「UVC LED」照射ユニットを空気清浄機に内蔵しました。UVCの光をHEPAフィルターに照射することで、フィルターで捕捉した菌を現行モデルの10倍というスピードで抑制します。ダイキンの空調生産本部 商品開発エグゼクティブリーダー主席技師である小泉淳氏によると、波長265nmのUVC LEDを搭載した空気清浄機は業界初とのこと。ACB50X-Sに搭載している旭化成グループのCrystal IS社製「Klaran(クララン)」のUVC LEDユニットは、30分で99%以上のウイルスを抑制できるパワーがあるといいます。
フィルターには新開発の「抗菌HEPAフィルター」を採用しました。0.3μmの微小粒子を99.97%捕集する性能を持つ静電HEPAフィルターに抗菌剤を添着することで、高い捕集力に加えてフィルター単体でも菌の繁殖を抑制します。
90分ごとに深紫外線を30分照射する自動運転のほか、本体の「UV清浄」ボタンでUVC照射できます。人の出入りが頻繁な部屋なら、人が入れ替わるときなど任意のタイミングで照射するのも効果的。また、フィルター交換前にUV清浄すれば、安心してフィルターを取り出せますね。
アプリの利用で本体への接触を必要最低限に
ACB50X-Sは、専用スマートフォンアプリとの連携機能も備えています。ひとつのアプリで複数台の空気清浄機を管理して、運転状況の把握、空気清浄機まわりの空気状態の確認、遠隔からの運転コントロールが可能。アプリから空気清浄機をコントロールすることで、不特定多数が触る可能性がある空気清浄機との接触を最小限に抑えることができます。
遠隔からの運転コントロールは現在のところ、電源オンオフと風量変更に対応。今後はUV清浄や複数の空気清浄機の電源を一括でオンオフする機能、フィルター交換時期のお知らせ機能などが追加される予定です。
業務機レベルのパワーながら比較的コンパクトなボディ
ACB50X-Sは前述したように塾や会議室など、小規模施設用の業務用としても利用できる製品。ですが幅27×奥行き27×高さ50cmと、業務用として見るとかなりコンパクト。家庭にも設置しやすいサイズなのはうれしいポイントです。
ところで、2020年11月に厚生労働省が、コロナ禍の冬場における「換気に悪い密閉空間」を改善するための換気方法についてのリーフレットを発行しました。それによると、空気清浄機を併用する場合の留意点として、「空気清浄機はHEPAフィルターによるろ過式で、かつ、風量が毎分5立方メートル以上のものを使用すること」とあります。今回のACB50X-SもHEPAフィルター搭載で最大風量が5.0立方メートル/分と、厚生労働省が推奨する仕様をクリアした製品です。