ソニーEマウント用の交換レンズを意欲的にリリースしているタムロン。今回はそのなかから、フルサイズミラーレス用の高倍率ズームレンズ「28-200mm F/2.8-5.6 Di III RXD」 (Model A071)をインプレッションします。高倍率の便利さとF2.8スタートの明るさを兼ね備えたスリムな高倍率ズームレンズ、描写や接写などの実力はどれほどのものでしょうか。
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ズーム倍率の高さとコンパクトな設計を両立したタムロンの高倍率ズームレンズ「28-200mm F/2.8-5.6 Di III RXD」 (Model A071)」。実売価格は税込み78,000円前後で、在庫は潤沢だ
このレンズは、1本でワイド端28mmからテレ端200mmまで広くカバーしており、さまざまなシーンで手軽に撮影を楽しめます。F2.8スタートというレンズの明るさも魅力的。今回は、EVF搭載でも約509gと軽い点が注目されているソニーのフルサイズミラーレス「α7C」と組み合わせて撮影してみました。
まず特筆したいのが、長さ117mm、質量575gと、高倍率ズームレンズにしてはコンパクトかつ軽量な点です。フィルター径は、同社のEマウントシリーズに合わせて67mmとしており、フィルターの使い回しが可能な点もうれしいですね。
一般的に、高倍率ズームレンズというと「画質がイマイチ」というイメージがつきまといますが、この28-200mmは特殊硝材を用いたLDレンズや蛍石に近い特性のXLDレンズを搭載し、色収差を封じ込めています。なおかつ、独自のレンズコーティングも施しており、気になるフレアやゴーストを抑制しています。どのようなシーンでも安心して使えるレンズに仕上がっているといえるでしょう。
タムロンレンズらしく、最短撮影距離の短さも魅力的。ワイド端で0.19m、テレ端で0.8mとググッと被写体に寄れるので、印象的な写真を手軽に撮影可能です。
28mm、35mm、50mm、85mm、105mm、135mm、200mmというメジャーな焦点距離をすべて網羅しつつ、カメラ側でクロップモードにすれば300mm相当の超望遠撮影も楽しめます。マクロ的な撮影もこなせることから、手ごろな価格のレンズ選びに頭を悩ませるフォトグラファーに最適な一本といえるでしょう。
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散歩に出かける時、カメラに装着するレンズで迷うことがありませんか? 単焦点で行くか、ズームレンズで行くか、どの焦点距離で行こうかと。高倍率ズームレンズなら1本で多くの焦点距離をカバーできるので、その悩みから解放されます。このレンズなら明るさもF2.8スタートですし、広角から望遠まで日常的なレンジをカバーしているので、機材も軽く済みます。走ってきた電車をテレ端でパシャリ
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河川敷をブラブラ散歩中に見つけた水鳥たち。キットの標準ズームレンズだったら、このように大きく写すことはできません。常時携行するレンズとして頼もしい存在です。描写も上々で、鳥たちの表情まで判別できそうです
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このレンズ1本でいろいろ撮れてしまうのですから、フットワークも軽くスナップ撮影を楽しめます。多摩川で休む人たちを左右均等になるよう画面内に配置して、α7Cのシャッターを切りました。28mmという画角は自然なワイド感で、その様子を優しく捉えてくれます
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α6000シリーズなどのAPS-C機からα7シリーズなどのフルサイズ機へのステップアップを考えている人を悩ませるのがレンズ選びです。「ボディは決まったけど、レンズが…」と悩んだ場合、まず最初の1本として高倍率ズームレンズをチョイスして、そのあとに勝負レンズとして単焦点レンズを揃えるのがオススメ。この28-200mmはオールマイティに使えるので、フルサイズのボケを活かした撮影も楽しめます