コロナ禍が続くなか、どんな家電にニーズが集まっているのかを知るべく、1年ぶりにMEGAドン・キホーテ渋谷本店を訪れ、同店のPB(プライベートブランド)家電「情熱価格」シリーズの売れ筋を取材しました。
2021年2月の売れ行きについて、PB事業戦略本部でアイテムを開発している柄澤喜行氏は「やはり、自宅での生活を充実させるアイテムに人気が集まっている印象があります。おいしくできて手軽に手が出せる調理家電や防犯アイテムなどが典型例でしょうか。おそらくですが、自宅にいる時間が長くなったことで、家のことをいろいろやりたいという意識の高まりもあるのかなと思います。自粛後に需要が生まれたというよりも、以前から潜在的にあった需要が表に出たといえます」と分析します。
緊急事態宣言発出の影響もはっきり出ているという現在において、売れ行きを伸ばしている製品のトップ5を挙げてもらいました。「ドンキでの買い物三箇条」を踏まえて、売れ筋製品のトレンドを追いかけていきましょう。
- ドンキのPBブランドは「情熱価格」だけでなく、付加価値を付けた「情熱価格PLUS」や「情熱価格PREMIUM」がある。
- ドンキは“個店主義”なので、品揃えは店舗ごとに異なる。ただ、今回の人気上位の商品はどこのお店にも並んでいる可能性大。
- “密”になる時間帯も店舗ごとに差がある。渋谷本店は昼過ぎが比較的空いている。生鮮食品を取り扱う店舗は夕方が混む傾向。
※本文と写真で掲載している価格は、2021年2月8日13:30時点のもの。日々変動しているので、参考程度に見てください。
第1位:スチームトーストが手軽に作れる「ザ・陶スター」
一番人気に挙げたのは、2020年12月に登場したオーブンストースター「ザ・陶スター」でした。水に浸した陶器製のスチームプレートをパンくず受けのトレーにセットすることで、庫内にスチームが発生し、トーストをおいしく焼き上げる仕組みを採用しています。価格は2,980円(税別)。
「2枚まとめて焼けるスペースを確保しつつ、シンプルかつコンパクトにデザインしました。気軽に手が出せる価格もあり、発売当初から勢いよく売れています」
第2位:1万台前半で土鍋炊きを実現「絶品ごはん 土鍋炊き」
ザ・陶スターと同時に登場し、ご飯派の支持を集めて2位になったのが、炊飯ジャー「絶品ごはん 土鍋炊き 電気式土鍋炊飯器」です。名称のとおり、土鍋炊きができる4合炊きのジャーで、価格は12,800円(税別)です。
「一人暮らしからファミリー層まで、幅広い支持をいただいています。低価格なIHジャーの価格でおこげも楽しめるということで、ご評価いただいていますね」
第3位:料理の幅を広げるロングセラー「3枚プレート電気グリル鍋」
3位には「3枚プレート電気グリル鍋」がランクインしました。グリルプレート、たこ焼きプレートがセットになった電気鍋で、1台3役の料理に使えます。価格は4,980円(税別)。
「自宅でいろいろな料理のパーティができるアイテムとしてロングセラーになっていますが、コロナ禍でも人気を集めていますね。3つの調理器具をひとつにまとめられるので、省スペース性を気に入って購入する方もいらっしゃいます」
第4位:10~120インチの大画面で楽しめる「スマジェクター」
4位は、情熱価格PLUSに属する「スマジェクター」です。Wi-FiやHDMI、USBケーブルなどでスマートフォンとつないで画面を投影できる小型プロジェクターとなります。2019年12月発売で、価格は19,800円(税別)。
「ミラーリング機能が使えない端末でもUSBケーブルで連係できるので、国内に流通しているほとんどのスマートフォンで使えるのが強みですね。白い壁があればどこでも使えるので、ネット動画を大画面で見たり、撮った写真を家族で見たりといろいろな使い方ができます。20~30代の方を中心に安定して売れていますね」
第5位:2560×1440ドットで撮影できるネットワークカメラ「スマモッチャープラス」
5位も情熱PLUSシリーズで、ネットワークカメラの「スマモッチャープラス」が挙がりました。2019年5月に登場した「スマモッチャー」(3,980円(税別))から画質を上げ、2560×1440ドットの撮影に対応。2020年7月発売で、価格は4,980円(税別)となります。
「ペットの様子を見たい、という目的で買われる方が多いですが、2台買ったうち1台を実家に送って、オンライン帰省に使われるという方もいらっしゃいます。やはり高画質が好まれるようで、元祖モデルよりも売れていますね」
はみ出し情報…地味に売れているテレワークサポートグッズ
ランキング外ながら、テレワーク関連で人気を集めているアイテムも紹介してもらいました。
「パソコンやスマホなどの電源ケーブルをまとめて挿せる『回転式プラグタップ2A』は、プラグが回転するので電源タップやコンセントを効率的に使えるうえ、USBポートも2基ついているということで、隠れたヒット商品になっています」
回転式プラグタップ2Aの価格は998円(税別)となります。
もうひとつ、「完全ワイヤレス片耳イヤホン」もコロナ禍で伸びているそうです。価格は1,980円(税別)。
「耳を片方しかふさがずに会話できるので、周囲の音もしっかり聞こえるんですね。両方の音にバランスよく集中できるということで、じわじわと人気を集めています」