ニコンは2月17日、最高1,000コマ/秒の高速撮影と、広いダイナミックレンジでの撮像を実現する積層型CMOSイメージセンサーを発表した。

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    ニコンが開発した1型、4K×4K解像度の積層型CMOSセンサー

1型というセンサーサイズながら、4K×4K画素の高解像度で110dBの広ダイナミックレンジをカバーしつつ、1,000コマ/秒の高速動画撮影を実現。高速読み出しにより、最高1,000コマ/秒のスーパースローモーションの撮影ができるという。60コマ/秒の撮影時は、134dBというより広いダイナミックレンジを実現する。総画素数は約1,784万画素。

2.7×2.7μmという画素サイズに対応できる、微細ピッチの積層接続技術を採用し、撮像素子のあるトップチップをボトムチップのロジック回路から直接制御できるようにした。これにより、業界最高水準のHDR特性110dBと、1,000コマ/秒の高速撮影を両立している(2.7μ画素サイズ以下のピッチにおいて)。

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    ニコンの積層型CMOSセンサーで撮影した画像。ダイナミックレンジが広いため、暗部も明部も撮像できるとする

トップチップに、16×16ピクセルを1ブロックとして、1画面に264×264ブロック(4,224×4,224ピクセル)を分割配置。ボトムチップから画面内の領域ごとに露出時間を細かく制御することで、広いダイナミックレンジを実現する。これにより明暗差の大きな被写体も、暗部が潰れたり明部が露出オーバーになることなく、画面全体を明瞭に撮影できるとする。

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    一般的なカメラで撮影した画像。右側の明部に露出を合わせた画像(左)では暗部が潰れ、逆に左側の暗部に露出を合わせた画像(右)では明部が白飛びしている

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    トップチップ(左)とボトムチップ(右)の構成図

イメージセンサーはデジタルカメラやスマートフォンといった映像機器だけでなく、自動車などの産業分野でも用いられており、小型・軽量、高フレームレート、広ダイナミックレンジ、高解像のすべてを実現するイメージセンサーが求められている。

ニコンは、米サンフランシスコで2月15日から行われている国際固体素子回路会議(ISSCC)において、この積層型CMOSセンサーを発表。今後も市場の要望を踏まえ、センサーの研究開発を継続していく。