HUAWEIの新型スマートフォン「HUAWEI Mate 40 Pro」。Googleサービスを搭載できなくなってもスマホの開発は続けられており、充実したカメラ機能などが特徴です。今回、グローバル版を試用する機会があったのでレビューをお届けします。
没入感の高い大画面ディスプレイ
Mate 40 Proは、HUAWEIのハイエンドスマートフォンとして6.76インチ(2,722×1,344ピクセル)FHD+有機ELディスプレイを搭載。SoCにはHUAWEIのKirin 9000を採用しており、メモリは8GB、ストレージは256GBとなっています。OSはAndroid 10ベースのEMUI 11.0です。
大型のディスプレイは、側面がかなり急角度のエッジディスプレイ。ディスプレイが側面全体を覆うことで全画面感は高まる反面、握ったときに画面に触れやすく、誤操作をしがちなところも。
このエッジを生かした機能として、エッジ部分の画面半分より上のあたりをダブルタッチでスワイプすると、音量操作できるようになっています。本体右側に音量ボタンはありますが、左手で握ったときにもボリューム変更は容易。使いやすいか、といわれると少し微妙ですが、手探りで音量ボタンを探して押したら電源ボタンだったというミスは防げます。
ジェスチャー機能としては「エアジェスチャー」を搭載。手のひらをインカメラに向けて、上下に振るとスクロールや音量操作、左右に振るとページ送り。手のひらをかざして拳を握るとスクリーンショット、手のひらを押し込むと音楽の一時停止や着信のスピーカー応答、といった動作になります。
エアジェスチャーの反応は悪くなく、認識精度も良いのですが、左右に振ってのページ送りが「ギャラリーと電子書籍だけ」という点は残念。Webブラウザで戻る・進むができるとより便利だったでしょう。電子書籍も標準アプリだけで、例えばサードパーティーのebookjapanで電子書籍を読もうとしても、左右のジェスチャーでページ送りはできません。同様に、音量操作もアプリが限定されます。
Mate 40 Proの本体サイズは高さ162.9×幅75.5×奥行き9.1mm、重さは約212gと、大きめのボディです。画面サイズも大きいため、そうした点を理解すれば、極端に大きく重いわけではありません。背面はピカピカのガラス仕上げです(Vegan Leatherモデルを除く)。個人的には、指紋が付きやすく光の反射がキツくなりがちなボディは好みではないのですが、質感や手触りは良好。スベスベしていないので、手に持っても滑りにくい感触です。反面、テーブルなどに置くと滑りやすく感じます。
アプリのインストールはGoogle PlayではなくApp Galleryから
OSはオープンソースのAndroidなので、操作性は普通のAndroidスマートフォンと変わりません。ただ、Mate 40 Proだと、アプリのインストールで少々難しいハンドリングが必要です。
Googleモバイルサービス(GMS)が利用できないため、Google関連のアプリがインストールされておらず、Google Playも使えません。HUAWEIのApp Galleryからアプリをインストールすることになります。
App Galleryで公開されているアプリはそれなりに増えていますし、LINE、ナビアプリのNAVITIMEなど、一通りのアプリはそろってきた印象です。とはいえ足りないものはいくつかあり、Google、Amazon、Adobe、Netflixをはじめとした動画配信系など、標準では用意されていません。
こうした点を補うツールとして、「Petal 検索」が用意されています。App Galleryでアプリを検索すると、App Gallery内のアプリに加えて、Google Play内のアプリも検索してくれます。App Galleryにはないアプリが検索された場合、リンクをたどると外部から直接アプリをダウンロードできるようになっています。
Mate 40 ProのOSはAndroidなので(GMS未搭載とはいえ)、Android向けのアプリはそのまま動きます。それを利用して、外部から直接アプリをインストールしてしまおうという半ば強引ともいえる方法です。
Android環境では、Google Playなど公式のアプリ配信以外からのアプリインストールは推奨されていません。Petal検索も「自己責任」と位置づけられています。アプリを配信しているのはAPK Monkというサイトです。このサイトを信用するかどうかは個人の責任に委ねられており、筆者自身も判断できませんので、心配なら利用を避けたほうが無難です。