• NECパーソナルコンピュータのオンライン発表会に登壇した、河島良輔執行役員(左)と、シニア ストラテジストの森部浩至氏(右)

NECパーソナルコンピュータ(以下、NECPC)は1月19日、同社製PC「LAVIE」の2021年春モデルを発表。全6シリーズ33モデル(カラーバリエーション含む)が刷新された。

「LAVIE」2021年春モデルでは、12.5型モバイルPC「LAVIE N12」、14型ノートPC「LAVIE N14」15.6型ノートPC「LAVIE N15」のほか、フラッグシップノートPC「LAVIE Pro Mobile」、一体型デスクトップPC「LAVIE A27/A23」、高性能Androidタブレット「LAVIE T11」の計6シリーズが登場している。テレワークやWeb会議、遠隔授業などでの利用を見込み、PCのスピーカーから流れる音声を聞き取りやすくする機能などが強化された。

  • NECPCのPCブランド「LAVIE」2021年春モデル。全6シリーズ33モデルが登場した

店頭向けPC・タブレット市場はコロナ禍で成長

PC・タブレットのコンシューマ市場は、新型コロナの影響で需要が伸びた1年になったという。NECパーソナルコンピュータの河島良輔執行役員は、コロナ禍におけるテレワーク、オンライン会議などのPC需要増について、「インパクトは大きかった」と話した。

  • 2020年の店頭PC・タブレット市場の成長率(前年比)。河島氏は、新製品の発表に合わせ、コロナ禍における今後の事業戦略や、PC市場の成長傾向などを紹介した

河島氏によると、2020年の店頭PC市場の予測は、当初の見込みより拡大したという。NECPCでは、2020年1月14日にサポートが終了したWindows 7買い替え需要の反動で、2020年店頭PC市場は対前年比マイナス15%まで落ち込むと予測していた。しかし、実際にはプラス6%の伸びとなった。

店頭タブレット市場の伸長も同様だ。NECPCでは消費増税の影響を受け、対前年比マイナス12%に落ち込むと予測していたが、実際にはプラス20%と大きく成長した。

NECPCでは、市場を牽引した要素として「テレワーク」「テレスクール」「ホームエンタメ」の3点を挙げる。自社調査の結果から、今後この3つの市場で計約1,000万台の潜在的な普及余地があるとした。

テレワーク市場では今後約300万台が普及する余地があり、2021年では推定100万台の普及を見込む。同じように、テレスクール(小学生~大学生)市場では今後約600万台の普及余地があり、2021年では約140万台が普及。巣ごもり需要が続くとみられるホームエンタメでは、今後約200万台の普及余地があり、2021年では約70万台が普及すると推定している。

  • 今後「テレワーク」「テレスクール」「ホームエンタメ」の3つの市場で、約1,000万台のデバイスが普及する余地があると見込む

テレワーク市場の成長予測に関しては、NECPCが2020年10月に実施した、テレワークに関する調査結果に基づいて想定されている。NECPCの調査では、国内就業者6,700万人のうち35%(2,350万人)がテレワークを経験しており、そのうちの70%(1,650万人)が個人PCを仕事で使える環境にあったという。実際に個人PCを使っていたのはそのうち45%(740万人)で、このうち34%(300万人)が「今後PCを買う予定だ」と回答した。同社では、これを今後の潜在需要と想定する。

  • テレワーク市場では、個人PCを仕事でも使う人のうち300万人がPCを購入予定だという

また、首都圏と首都圏以外でのテレワークの普及に差があるという調査結果も踏まえ、今後、例えば週3テレワーク、週2出社という“ハイブリッド”な働き方がスタンダードになった場合、さらに需要が高まる可能性もあるとした。

なお、NECPCでは「テレワークにより生産性は上がる」というスタンスを取っている。日本では「テレワークは生産性が下がる」という考えが多いというが、河島氏は「テレワークは社員の満足度も高く、経験上生産性が上がるよい働き方だと思っている」とアピールした。

NECPC本社の秋葉原オフィスでは、第1回目の緊急事態宣言時(2020年3月)に、これまで20%程度だったテレワーク率を、3月11日時点で86%、5月12日時点では98%にまで高めた。2回目の緊急事態宣言(2021年1月)では、当初から97%とほぼ全社員がテレワークをしている状況だという。

  • NECレノボ・ジャパングループにおけるテレワーク状況。本社の秋葉原オフィスでは、1月12日時点で97%がテレワークを実施

テレスクール市場は「需要増のポテンシャルが最も大きい」

テレスクール市場に関しては、小学生~高校生の“K12”と呼ばれる年齢層を対象に子ども専用PCの所有率を調査した結果、コロナ前と後でプラス4ポイントの伸びがみられたという。河島氏は、「爆発的な伸びではないが、今後の需要増のポテンシャルが一番大きい。“本丸”がここになると思っている」と話した。

調査では、子ども専用PCを持っていない保護者896万人のうち、3分の2にあたる約600万人が購入を検討しているという。これが実現した場合、所有率は77%まで上がり、おおむね70%前後である欧米の水準(平成25年度内閣府調査)と並ぶ。

  • テレスクール市場(K12、小~高校生)の成長想定。欧米での13-15歳のノートPC所有率は64%~75%だが、調査時期は2013年で約8年前となるため、新型コロナが広がる現在ではさらに増えているとみられる

子ども専用PCを買った保護者の満足度は高いというが、一方で買わない理由も「家族共用で十分」「必要性を感じない」「ゲームばかりしそう」などが挙がったとする。河島氏は「PC事業者のミッションは、必要性を問いかけ、背中を押すこと。テレスクール市場は本格的な普及の寸前まで来ているので、ここは大きくフォーカスしたいところ」と強調した。

ホームエンタメ市場の成長は、外出しにくい生活のなか、余暇時間をテレビ視聴やゲームなどをして過ごす人が増えたことが背景にある。この市場は今後も堅調に伸びていくとNECPCは予想している。

  • ホームエンタメ市場の成長想定

河島氏は、「テレワーク」「テレスクール」「ホームエンタメ」という3つの市場に、大きな潜在的普及余地があるとする。一方で「そのままだと需要は生まれない。PC事業者として、利用者へのメリットをしっかり紹介するなど、事業を創出する努力をしないと(約1,000万台の普及という数字は)生まれない数字だと思っている。ここ数年間の大きな軸はこの3点に置いていく」と意気込みを語った。