AndroidやWindowsでの接続は簡単

再生機器と接続する場合、スマートフォンのGalaxyシリーズであれば、「Galaxy Wearble」「SmartThings」アプリをインストールしておきます。充電ケースに入れた状態で、ケースのフタを開けると自動的にペアリングが開始され、Galaxyスマートフォンにポップアップが表示されるので、すぐにペアリングは完了します。

  • ケースを開くだけでペアリング用のポップアップが起動

  • 接続を押せばすぐにペアリング。以降は、ケースを開くだけで接続されます

それ以外のスマートフォンでも、同様にケースを開ければペアリングモードになるので、スマートフォンのBluetooth設定からペアリングします。各種設定のために、AndroidスマートフォンにはGalaxy Wearbleアプリ、iOS端末にはGalaxy Budsアプリは必須です。

Windows PCでは、クイックペアリング対応のWindows 10であれば、充電ケースのフタを開ければ通知がポップアップするので、簡単にペアリングができます。そのほかのデバイスでBluetoothの通知といった機能がないときは、そのデバイスに用意されているBluetoothのペアリング機能から接続します。

  • Windowsのクイックペアリングの通知

ペアリングしたら耳に装着。操作はイヤホンの側面をタッチすることで行います。タッチ1回で音楽の再生・停止。タッチ2回で曲送り、電話の応答・終了、保留・再開、タッチ3回で曲戻し、長押しで着信拒否または指定した設定を起動――となります。タッチ機能は左右で同じ割り当てとなっており、長押しのみ右と左で分けられます。

長押しに設定できるのは、アクティブノイズキャンセリング、音声コマンド、音量、Spotifyの4種類。音量を選んだ場合、左が音量ダウン、右が音量アップに固定されます。音声コマンドには、Googleアシスタント、Alexaといった音声アシスタントを設定できます。

  • 側面タッチに割り当てられる機能

個人的に、大半の完全ワイヤレスイヤホンは音量操作ができない点がネックだと思っています。Buds Liveは左右ピース側面の長押しに音量を設定できるので、そこは筆者としてはうれしいところ。ただ、長押しに割り当て可能なほかの設定と排他なので、しかたなくも残念ですが……。

そのうちのひとつ、Spotifyの専用機能は、いくつかの音楽サービスから選択できればよかったのですが、Spotify限定です。長押しでSpotifyを起動しても、再生したい音楽はスマートフォンで探す必要があります。音声アシスタント経由でも再生できるので、長押し操作に割り当てる必要はあまりないように感じました。

低音のノイズ削減をしてくれるアクティブノイズキャンセリング

また、長押しにはアクティブノイズキャンセリング(ANC)も設定できます。周囲の雑音を抑えながら、会話やアナウンスなどの音声は通過させるというもので、低周波帯域のバックグラウンドノイズを最大97%カットするといいます。

Galaxy Buds Liveはインナーイヤー型であり、形状的にも耳孔にピッタリとはまり込むカナル型でもないため、音楽の再生中は周囲の音がかなり聞こえます。音漏れもそれなりにあるため、周囲への配慮は欠かせません(個人的にちょうどいいと感じる音量では、それほど音漏れしませんでした)。

そんな性格なので、ANCの効果も限定的です。基本的に外部の音は聞きやすいのですが、ANCをオンにすると、低周波の音がスッと消えます。電車内の走行音、飛行機内の低い騒音が顕著に聞こえなくなります。「周囲の音が消える」というほどではありませんが、音量を1~2段下げても十分なくらいに音楽が聞きやすくなります。

密閉型のような強力なノイズキャンセリングではないにしろ、効果は感じられます。結果として音漏れも減るので、外出先では積極的に利用するとよいでしょう。

音質は、やや高音が弱い印象はあり、どちらかというと低音重視の印象。とはいえ、たとえばロックだと、ドラムのハイハットからバスドラムまでバランスよく、いわゆるドンシャリにならず全体的によく響きます。低音重視とはいっても、それほどバランスは悪くありません。

アプリのイコライザでは細かい設定はできませんが、標準、低音ブースター、ソフト、ダイナミック、クリア、高音ブースターが選べます。個人的にはダイナミック設定が良好に感じましたが、BGM的に聞くときはクリア、ボーカルを中心に聞きたいときはソフト、というように使い分けています。

  • アプリのイコライザの設定。アクティブノイズキャンセリングのオンオフも設定できます

内蔵マイクは外側に2つ、内側に1つを搭載しています。さらに「ボイスピックアップ装置」がアゴの動きを感知して、振動データを音声信号に変換するそうです。相手側に音声はかなりクリアに聞こえ、音声通話もまったく問題ありません。

  • 外側の2つの穴にマイク。内側にもマイクを装備しています

このマイクは、ビデオ会議でも大変役立ちます。筆者はビデオ会議には片耳で使い、バッテリーが切れそうになったらもう片方に切り替えて使っています(そこまで長時間のビデオ会議もそうそうありませんが)。こういう使い方ができるのも、マイクが左右ピースの両方にあるから。片耳だと音声はモノラルになりますが、ビデオ会議や音声通話なら大きな支障はありません。

Galaxy Buds Liveは、外部と断絶して音楽に集中するといった使い方には最適ではありませんが、ノイズキャンセリング機能は音楽を妨げるノイズをいい感じで減らしてくれるため、外出時や移動時に向いています。コンパクトで目立たず、それでいて聞く・話すという双方の音質は十分に確保しているという点で、カジュアルなリスニングが中心のユーザーにおすすめしたい完全ワイヤレスイヤホンです。