1,400種類以上のデザインテンプレートに、写真とメッセージを組み合わせてオリジナルの年賀状を作れるアプリ「スマホで年賀状2021」。デザインから印刷、さらには宛名書きまでをスマホで完結できる便利さが人気を集めている。

――とはいえ、年賀状というと「面倒くさい年間行事」の上位常連者だ。本当に手軽に年賀状を出すことができるのか、ズボラさにかけては抜群の自信がある筆者が、アプリをガチンコ体験・検証する。「実はけっこう面倒くさい」という事実が発覚したら、記事制作を途中で投げ出すこともやむなしの覚悟である。

  • スマホで年賀状2021

    面倒だったら絶対やらねぇからな

テクノロジーの力で年賀状に対するトラウマを克服できるか

個人的な話になるが、年賀状と聞くと両親がケンカする姿を思い出す。なぜなら我が家では毎年のように、年賀状をめぐる父と母の争いが繰り広げられていたからだ。

「もう年賀状の準備した? またギリギリになってからインクがないとか言わないでよね」

「うーん……そのうちやるよ」

(元旦に年賀状が届くギリギリのタイミングで)
「PCがフリーズした!」

「だから言ったのに!!!!」

といった様相であった。

そういう風景を見て育ったせいか、「年賀状=面倒くさい」というイメージが強く、独り立ちしてから一度も自主的に年賀状を出したことがなかった。

しかし、30歳をとうに超えた今、そつなく「大人の付き合い」的なこともできなければいけない気がひしひしとしている。そこで、「スマホで年賀状2021」を使って、年賀状を出してみることにした。

2020年、年賀状は驚くほど簡単になっていた!

さっそくアプリをダウンロードすると、「和モダンから北欧デザインまで1400点以上のデザイン」「はがきを撮影するだけで宛名情報を無料でデータ化」「翌日発送」「無料サンプルあり」という情報が飛び込んできて、期待が高まる。

  • スマホで年賀状2021

    間違いなく、全日本人が待ち望んでいた機能

まずはテンプレートのなかから気になるデザインを選ぶのだが、どれもこれもおしゃれである。これが令和の年賀状か、と早くもカルチャーショックを受けた。

  • スマホで年賀状2021
  • スマホで年賀状2021
  • びっくりするほど今どきデザイン。しかもテイストの幅が広いので、好みにフィットした1枚が見つかりそうだ

デザインが豊富すぎて、逆に選ぶのが大変なのではとも思ったが、気になるものをどんどんお気に入り登録していけば、「お気に入り」タブから「これぞ」という1枚に絞り込みやすい。

せっかくのなので、人生初の「写真入り年賀状」を作ってみよう。

  • スマホで年賀状2021

    お気に入り登録すれば、気になるデザインを一覧で見比べられる

  • スマホで年賀状2021

    少女漫画チックなテンプレート、君に決めた!

「写真入り年賀状」では、写真の入る場所をタップして、スマホのアルバムから写真を選ぶことも、その場で撮影した写真を選ぶこともできる。そして、選んだ写真の角度やサイズも自由に調整可能だ。フィルター機能も搭載している。

写真を選んだら、次はスタンプでデコったり、新年の挨拶の文面を編集したりする。

  • スマホで年賀状2021

    10分で完成!

  • スマホで年賀状2021

    80〜90年代生まれは、なんとなくプリクラの「落書き」を思い出す画面

  • スマホで年賀状2021

    フォントまで変えられる手厚さ

デザインが完了したら、「マイデザイン」に保存。これで年賀状作りの半分は終わった。アプリをダウンロードしてからここまで30分もかかっていないのに、もうあとは注文するだけだ。あまりに簡単すぎて、なんだか不安になってくるほどだ。

送り先の情報がすでにある人は「宛名帳」に登録しておくと、宛名が印刷されてそのまま年賀状を発送してもらえる。年賀状に手書きメッセージや個別メッセージを添えたい人は、宛名を印刷した状態で一度自宅に送ってもらうことも可能だ。「スマホで年賀状2021」に死角はないのか。我が両親の十数年にわたる年賀状ウォーは一体何だったのだろうと、しみじみ考えさせられる。

このように便利な宛名登録・印刷機能があるわけなのだが、“年賀状弱者”の筆者には登録すべき宛先情報が一切ない。ひとまず、宛名なしのものを自宅に送ってもらって、その間にLINEで年賀状の送り先を聞いて回ることに決めた。

また、最初は「とりあえず年賀状を出せさえすればOK」と軽い気持ちで始めたものの、人間とは欲深いもので、気づけば無料サンプルを注文していた。だって人生初の写真入り年賀状なんだもの。

  • スマホで年賀状2021

    注文した年賀状の送り先までアプリで完結

  • スマホで年賀状2021

    仕上がりの確認画面で、「うわーちゃんと年賀状だ!」とテンションが上がってしまう

広告・出版業界でも、色味や仕上がりを確認するためのサンプルを出す「色校正(色校)」という工程があるが、実物と同じ紙で色校を出す「本紙色校正」というのはお金がかかるため、まあまあ珍しい。それが無料なのだから、頼まない手はない。

注文から2〜3日で、本紙色校ことサンプルが届いた。良い年賀状だ。だが、実物を見ると、謎のテンションの高さがあるというか、少しはしゃぎすぎてしまった感も否めない。

  • スマホで年賀状2021

    自分の写真入り年賀状を作るだなんて、数日前までは考えもしなかったのに立派に完成している

このデザインは友人用に、それ以外の相手にはまた違うデザインを注文して、2種類の年賀状を作ることに決めた。これはいかにも、そつのない大人のムーブだ。マメな人は、もっとたくさんの種類の年賀状を出し分けているのかもしれない。

サンプルを待つ2〜3日と、宛名書きの時間を別にすれば、年賀状作りにかかった時間は約30分。これならきっと夫婦のケンカも起こらない。年賀状が原因で家族と揉めたことがあるすべての人に使ってみてほしいアプリだ。

2021年正月分はもう間に合わないかもしれないが、次は両親にも「スマホで年賀状」の使いかたを教えてあげようと思った。