その昔、気に入ったWebサイトはWebブラウザーにブックマークすることで管理していた(現在でもこの方法はメジャーだ)。そしてインターネットの常時接続が当然になると、Google Bookmarkに代表されるソーシャルブックマークサービスが台頭する。ブックマーク情報をクラウドに置いて、使用するデバイスを問わずに参照できるなど利点が多いからだ。昨今ならPinterestやPocketなど選択肢も多いだろう。

PCやスマートフォン、タブレットでMicrosoft Edgeを使っている筆者は、利用頻度の高いサイトをお気に入りバーに登録したりフォルダー単位で管理する「お気に入り」は使っていない。気になるWebサイトはPocketに登録し、余暇がある場面や執筆時の資料として参照する場面で閲覧している。

もちろん、ブックマーク情報の管理方法はユーザーによって違う。SaaSサイトであればタスクバーにピン留めするユーザーもいるし、以前のMicrosoft Edgeならスタート画面にピン留めしていたユーザーもいるだろう。Microsoft製品が持つ魅力の1つとして、選択肢を幅広に設ける点が挙がることは多い。そしてスタート画面を活用するユーザーが多いのか、Devチャンネルで2020年11月に配信したMicrosoft Edge 88.0.692.0は、スタート画面へのピン留め機能を復活させた。

  • その他のツールとして加わった「スタート画面にピン留めする」

  • スタート画面にピン留めした状態。アイコンからも分かるように、使用中のMicrosoft EdgeはCanary版である

Microsoft Edgeは、頻繁にアクセスするWebサイトの管理方法を、お気に入りフォルダーとお気に入りバー、タスクバーにスタート画面、コレクション、PWAといったように、複数の選択肢を得たことになる。加えてMicrosoftは、PWAでアプリ化したWebサイト、およびタスクバーにピン留めしたWebサイトでバッジのサポートを表明した。簡単にいうと、スマホアプリで未読件数を小さく数字で示すアレと同じように、アプリ化してピン留めしたOutlookの未読件数、SNSサイトの通知数などを示すという。

  • Linkedinのメール数と思われるバッジが示されている(公式ブログから抜粋)

Canary版(バージョン89.0.722.0)で確認した範囲では、お気に入りフォルダーやお気に入りバーは当然だが、スタート画面やタスクバーにピン留めしたWebサイトを開くときも、新たなMicrosoft Edgeを起動せずに既存のウィンドウを再利用する。

筆者の場合、コレクションは複数のWebサイトをひとまとめに扱いたい場面で使用し、PWAによるアプリ化したWebサイトは本稿執筆時点で同期対象外のため、必要でなければ利用しない。同じく同期対象外のスタート画面およびタスクバーのピン留めも、お気に入りバーに登録したWebサイトのアイコンが見えづらいといった理由がなければ避けたほうが無難だ。

つまるところ「デバイス間の同期対象となるお気に入りフォルダー・お気に入りバー」が最良の選択肢となる。ただ、この結論はあくまで筆者のPCとスマホの使用スタイルによるもの。「自分はPC1台でスマホとの同期は不要」など、スタイルが異なるユーザーは別の結論に達するだろう。用意された選択肢から、自身が使いやすい機能でブックマークを管理してほしい。なお、安定版Microsoft Edgeがバージョン89に達するのは2021年3月ごろである。