内田洋行は11月25日、2020年11月26日~2021年2月19日まで、新しい働き方を提案するオフィス新製品展示会「UCHIDA FAIR 2021」を開催するにあたり、プレス向けに新製品発表会と内覧会を開催した。なお、UCHIDA FAIR 2021は完全予約制で人数を制御しながら行われる(オンライン見学も可能)。

  • 「UCHIDA FAIR 2021」を開催するリニューアルされた内田洋行の第2オフィス

今年のテーマはが「WORK .□」(ワーク・ブランク)。

代表取締役社長 大久保昇氏はこのテーマの背景について、「最近は、ある程度の規模の会社は在宅勤務を取り入れ、サテライトオフィスを設置している。現在のオフィスは(本社などを中心にした)センターオフィスだが、これをどのように見直していくかをコロナ禍で多くの企業が考えている。私の考えは(自宅やサテライト、センターオフィスの)どちらか一向に偏るのではなく、多様化した中で、各社が働き方を考えていくことになる。私はオフィスは必ず残っていき、重要な価値を占めると思っている。弊社は働き方変革を進める中で、業務に応じて最適な場所と機能を社員自身が能動的に選択することがもっとも効率的だということで、『アクティブ・コモンズ』を2012年から提唱している。それを、よりわかりやすい言葉で表現したのが『WORK .□』(ワーク・ブランク)だ。ブランクの中に仕事の内容や場所が入る。働く人が多様なワークシーンの中で、自分たちで適切な場所を選択していくべきだ。コロナ禍の時代だからこそ、再度、『WORK .□』を提唱していきたい」と説明した。

  • 内田洋行 代表取締役社長 大久保昇氏

新製品は、テーブル、椅子といった「WORK .□」をを形づくる製品、フリーアドレスを想定した個人ロッカーやICTソリューションなどの「WORK .□」をサポートするアイテムの2つのカテゴリに分けて発表した。

また、会議室の空き情報や社員の位置情報をリアルタイムで把握できるICT プラットフォーム「スマートオフィスナビゲーター」(仮称)を参考出品した。こちらは来年1月に発表される予定。

「WORK .□」を形づくるスペース

「WORK .□」を形づくる製品としては、フリーアドレスの個人スペースやミーティングスペースとして「ハイポジションワーク「LEMNA」(レムナ) フットステージモデル」を発表した。ハイポジションで視線を高くし、歩いている人も同じ視線で仕事ができるという。

  • 「ハイポジションワーク「LEMNA」(レムナ) フットステージモデル」

  • テーブルの下には足を置くスペースが設けられ、テーブル上にはAC電源がある

リラックス姿勢を促すために、新たに高さを620mmに設定したテーブルとそれに対応したベンチ、サイドテーブルで構成する「LEMNA ワークラウンジ」も発表された。天板形状には、人が自然と集まる角がとれた「まゆ型」や「角丸型」、プロジェクターやモニターを設置し、テーブル天板の大画面に PC 投影が可能な「クラム型」、「長方形」の 4 パターンがあり、レイアウトの構成によって個々のPC作業とチームコミュニケーションの両方に利用できるとしている。

  • 「LEMNA ワークラウンジ」

  • ワーカー同士が落ち着いた気分で、リラックスしたコミュニケーションを取るワークラウンジ用途を想定する

また、国産木材を使ったキッチンカウンターを発売。飲食やブラウジングを目的に人が集まり、ちょっとした会話から情報交換や議論に進むなど、偶発的なワーカーのコミュニケーションを高める狙いがあるという。収納部には冷蔵庫や電子レンジ、トラッシュユニット等が収容できる。

  • 国産木材のキッチンカウンター

  • 利用シーン

椅子としては、さまざまな体型に合わせられる「Nimbus」(ニンバス)チェア」を発表。座面が上下できるのはもちろん、前後にスライドできる。ひじ掛けもテーブルの高さや体型に合わせて上下できるため、PCの操作をしやすくアジャストできるという。フリーアドレススペースでの利用を想定している。

  • 「Nimbus」(ニンバス)チェア」。ひじ掛けが上下できるのが大きな特徴

「WORK .□」をサポートするアイテム

「WORK .□」をサポートするアイテムとしては、「パーソナルロッカー『L-rage」(エルレージ)」のモデルを拡充し、庫内サイズを8品種まで拡大。ロックはダイヤル式やICカード式などが選択でき、ダイヤル式では、開錠状態のまま扉を閉めることを防ぐため、扉を開くとダイヤルがオートリセットされる機能も搭載された。

  • 「パーソナルロッカー「L-rage」(エルレージ)」

  • キーはさまざまものが用意される

ICT機器では、予約せずに利用するミーティングコーナーや打合せスペースなどの利用状況を、ブースにある人感センサーが人を検知してLEDライトやサイネージで可視化するシステム「RoomSense(ルームセンス)」を発表。離れた場所から事前に空き席がわかり、利用履歴も残せるため、施設設計に活用できるという。価格は、基本利用料+1ブース料金 月額1万円(税別)~、20ブースの初期導入費用250万円~で12月1日発売。

  • 各ブースの空き状況をブース上の赤と緑のLEDライトで表示

  • 人感センサーでキャッチした空き状況は、サイーネージなどのディスプレイに表示できる

  • スマホでも確認可能

  • 個人用のブースなどは、QRコードを読み込むと、何分利用するかの予約画面が立ち上がる

「ClickShare ConferenceCX(クリックシェアカンファレンス)」は、会議室でディスプレイやプロジェクタへの接続をワイヤレスで行うことができる機器。本体側とPC側にペアリングされた機器を接続。通信はWi-Fiで、PC側の機器のクリックシェアボタンを押すだけで、自分のPCの映像を投影できる。とくに、複数の人が発表する際の切り替えが便利で、ケーブルレスのため、席の位置をケーブルの長さによって制約されることもない。こちらの価格はオープン。2020年5月20日に発売開始済。

  • 「ClickShare ConferenceCX(クリックシェアカンファレンス)」。ボタンを押すと画面をディスプレイなどに表示できる

「MeeTap」にはタブレットをワンタップするだけで、会議室の機器を制御する会議支援サービスが追加。ワンタップでの機器の起動や操作に加え、Web会議用のカメラを制御して参加者映像からホワイトボード映像へ簡単に切替えられる。基本料金は16,000円(月額)~ 。1部屋あたり利用料は1,500円(月額)~。いずれも税別価格。

  • 「MeeTap」

ICT プラットフォーム「スマートオフィスナビゲーター」(仮称)

参考出品された「スマートオフィスナビゲーター」(仮称)は、Microsoft365、GoogleWorkSpace、サイボウズのGaroonの各グループウェア、各地のオフィスやスペース、ネットワーク機器、IoT デバイス等と連携し、社員の位置情報や会議予約システムの情報をリアルタイムで参照できるもの。

社員の位置情報は利用しているWi-FiのAPからおおよその場所を特定。会議室の事前予約/利用開始・退席/利用状況の確認、データ活用などを横断的に行える。

  • 「スマートオフィスナビゲーター」概要

空きブース検索では、「RoomSense」(ルームセンス)と連携し、利用状況を把握。機能はクラウド環境で提供され、オフィス内外でいつでもどこでもスマートフォンやタブレットパソコン、サイネージから利用できるという。

  • 空きブース検索。ビデオ会議ができる場所、人数など条件を指定できる

  • 社員検索