「地球は人類のゆりかごである、しかし人類はゆりかごにいつまでも留まっていないだろう」、そんな言葉ではじまる映画「劇場版 HAYABUSA2~REBORN」。

コンスタンチン・ツィオルコフスキーが1898年にこの言葉をのこしてから100年あまり経た現在、人類はその言葉の通りに宇宙へと飛び立つ術を生み出してきた。日本も1970年に初の人工衛星「おおすみ」を打ち上げて以降、数々の人工衛星や探査機といった宇宙機を打ち上げ、地球近傍のみならず火星や金星といったほかの惑星にまで赴くことを可能としてきた。

「劇場版 HAYABUSA2~REBORN」。本作の主人公は、小惑星「イトカワ」のサンプルを抱え、さまざまな試練を乗り越えながら2010年に地球に帰還した小惑星探査機「はやぶさ」と、小惑星「リュウグウ」のサンプルを抱え、2020年12月6日に地球への帰還を予定している小惑星探査機「はやぶさ2」であり、はやぶさの旅路を描いた第1作「HAYABUSA -BACK TO THE EARTH-」に、はやぶさ2の旅路を加える形で作られた、はやぶさミッションの17年にわたる歩みを綴った作品である。

  • 『劇場版HAYABUSA2〜REBORN』

    『劇場版HAYABUSA2〜REBORN』(C)HAYABUSA2〜REBORN製作委員会

この映画には人間は一切出てこない。常に見えるのは、宇宙を孤独に旅し、地球から送られてきたミッションを寡黙にこなし、一路地球へと帰還を目指す「はやぶさ」と「はやぶさ2」の姿である。

一見すれば、はやぶさたちの姿は無機質なモノに見えるかもしれない。しかし、この2機の目的が「どうやって地球に、そして宇宙に生命が誕生したのか、という人類史上最大とも言える謎を解き明かす鍵を持ち帰ること」だと知れば、多少なりとも科学に興味がある人であれば胸が熱くなることだろう。

劇場の迫力あるスクリーンで、はやぶさの目的地である小惑星「イトカワ」とはやぶさ2の目的地である小惑星「リュウグウ」の形状、表面の映像が画面いっぱいに映し出される様は圧巻である。表面の感触まで伝わってきそうなリアリティにこだわった絵作りからは、はやぶさや、はやぶさ2に乗っているような気持ちを感じられるだろう。

本作の監督を務めた上坂浩光氏は、映画公開前の舞台挨拶にて、「はやぶさを生き物に例えているのはミッションを孤独にこなす、その姿に人格を感じたから。大人だけでなく、子供にもみてもらい、宇宙に興味をもってもらえたらと思う」と、映画に込めた思いを語ってくれた。

「劇場版 HAYABUSA2~REBORN」は2020年11月27日(金)より全国の映画館で順次公開されていく予定だ。はやぶさ2の地球帰還予定日である12月6日まで、あと少し。はやぶさ2の長い長い旅路の復習、そして宇宙を駆けるその雄姿に思いを馳せるべく、地球帰還の前にでも、一度劇場に足を運んでみるといかがだろうか?

  • 上坂浩光監督

    映画公開に際し、舞台挨拶を行った上坂浩光監督