Amazonのスマートスピーカー「Echo」シリーズと組み合わせて使う壁掛け時計「Echo Wall Clock」が11月4日から発売されています。米国ではシンプルなデザインの製品も販売されていますが、国内向けに初めて投入されたのはディズニーコラボの「Echo Wall Clock - Disney ミッキーマウス エディション」。ミッキーマウスが手の動きで時間を教えてくれる、可愛らしい時計です。
「Echo Wall Clock」は単体では使えず、Amazon Alexa対応のスマートスピーカーと連携させて使います。そのため、Echoシリーズのスマートスピーカーを別途用意する必要があります(対応するEchoデバイスとのセット販売も行われています)。
Alexa連動といっても、Echo Wall Clockでの機能は至ってシンプルな内容。大きな特徴としては正確な時刻表示と、タイマーの2点です。
Echo Wall Clockの大きさは約254×41mm(直径×厚み)。筐体は見たところプラスチック製で、フレームは鏡面仕上げになっているものの、質感はそれなりという印象です。
厚みはあるものの重くはなく、単体の重さは約478g。電池込みでの実測でも約567gと軽く、賃貸住宅でもピンフックを使って問題なく壁掛けできました。単3形乾電池4本で動作します。
時刻表示の機能に説明は不要でしょう。ミッキーの両手で時刻を表します。デジタルな時刻表示を見ることが多くなった中で、アナログ文字盤の時計の読み方を子どもに教えるにも、Echo Wall Clockはちょうど良いアイテムかもしれません。秒針はなく、分針はなめらかに動くため、カチッと鳴ることはなく、音も気になりません。
ちなみに手の向きで時刻を表す時計デザインは、ミッキーマウスをモチーフとした時計では定番です。たとえば東京ディズニーリゾートの「東京ディズニーランド・ステーション」の時計も同様に手で時刻を知らせるデザインになっています。Apple Watchユーザーなら、ミッキーマウスの文字盤でお馴染みかもしれません。
セットアップはEchoスピーカーで行う
この時計はEchoシリーズを介して時刻合わせを行います。Echoシリーズはパソコンやスマホと同様に、インターネット経由で時刻を取得する機能を持ち、Echo Wall Clockはその時刻をBluetoothで同期する形で、時計のズレを自動補正します。そのため、スマートスピーカーを時計の近く(9m以内)に設置する必要があります。
初期設定はシンプルで、Echoスピーカーに向かって「アレクサ、エコーの時計を設定して」と話しかけて開始します。後はAlexaの指示に従って時計背面のボタンを長押しすれば、Bluetoothペアリングが完了して使えるようになります。スマホのAlexaアプリからの設定も可能です。
文字盤の6時方向、ミッキーの足の間にLEDインジケーターを備えています。これはペアリング時に接続状態を表示するほか、電池残量が減ったときに知らせるためのものです。
シンプルなタイマー表示機能
この時計の最大の特徴となるタイマー表示ですが、これもAlexaと連動する機能です。Echo Wall Clockと連携したスマートスピーカーに「アレクサ、30分のタイマーをセットして」と話しかけると、時計の分表示が赤く光り、残り時間が表示されます。タイマーが終了するとスマートスピーカーから音が鳴り、Alexaのアラームで教えてくれます(ミッキーマウスがしゃべる機能はありません)。
残り時間の表示は分刻みで、残り1分を切ると秒単位でカウントします。たとえばカップラーメンを作る時や、料理で「10分寝かせる」といったときに便利です。
デジタル・デトックスに活用できる壁掛け時計
タイマーだけでは物足りないようにも思えるかもしれませんが、スマホの不要な通知に煩わされることもないというのは意外と大きなメリットです。
スマホやパソコンにスマートディスプレイなど、現代の日常生活には画面があふれています。単に時間を確認したいだけのシーンで、通知を見て気づいたらメールやSNSを見てしまったという経験は多くの人にあることでしょう。
こうした現代の環境下でインテリアに馴染ませつつ、必要な時間の情報を視覚的に把握できる壁掛け時計のシンプルさは、改めて見直されるべきなのかもしれません。Echo Wall Clockではさらに、スマートスピーカーの連携により、タイマーの視覚化というもう1つの“時間を把握する”機能を手に入れています。
筆者の場合は、在宅勤務でこの時計のタイマー機能をいわゆるポモドーロ・テクニックの時間管理ツールとして活用しました。「30分だけ仕事に集中したい」というときにタイマーをセットし、壁掛け時計を見上げれば残り時間を直感的に把握できます。
最近のスマートスピーカーは、登場時と比べて応答の性能が向上し、自然な会話ができるようになっています。Amazonによると、1週間に「アレクサ」と声かけされる回数は世界で数十億回に上るそう。その中でも、日本のAlexaユーザーは「おはよう」や「ありがとう」といった挨拶をより多くする傾向にあるそうです。スマートスピーカーが単なる情報収集で使われるだけでなく、ますます生活に溶け込む存在になりつつあるのかもしれません。
Echo Wall Clockはそんなスマートスピーカーと連携しつつ、自然に生活に溶け込む新たなスマートデバイスです。見かけはクラシックな時計ですが、スマホとの付き合い方を見直し、画面をみる回数を減らしたい人にとって、デジタル・デトックスのための有力なツールとなることでしょう。