ミラーレスカメラ専用設計とした新世代のマクロレンズ「SIGMA 105mm F2.8 DG DN MACRO | Art」がシグマから登場しました。「Art」ラインの名を冠したとおり、優れた画質と描写力を持ちつつも、携行しやすいスリムなレンズに仕上がっていました。
10月下旬に販売が始まった「SIGMA 105mm F2.8 DG DN MACRO | Art」。最大径φ74mm、長さ133.6mm(Lマウント版)、質量715g (Lマウント版)と、スリムかつ軽量に仕上がっているのがまずうれしいです。最大撮影倍率は1:1、最短撮影距離は29.5cmと、マクロ撮影ファン待望のスペックになっています。シグマ名物の“カミソリマクロ”(70mm F2.8 DG MACRO)は70mmですが、このレンズは105mmと中望遠なので、ワーキングディスタンスを大きく取れ、近づきづらい被写体やシチュエーションでも活躍するレンズとなっています。
光学系はミラーレス一眼カメラ専用設計としており、12群17枚構成(SLDガラス1枚)。画面の中心部から周辺の四隅まで、均一で高い解像力を見せてくれます。周辺部での気になるコマ収差やフリンジも良好に補正され、絞り開放からガンガン使っていける仕様が素晴らしいですね。シグマの精鋭チーム「ゴーストバスターズ」により、徹底したゴーストおよびフレア対策が施されていて、高い耐逆光性能を誇ります。
使い勝手も、フォトグラファーのことを考えた親切設計となっています。ボディ側から見てレンズ鏡筒左側には、フォーカスモード切替スイッチ(オートフォーカス、マニュアルフォーカス)、フォーカスロックやさまざまなファンクションの割り当てが可能なAFLボタン、合焦範囲を指定できるフォーカスリミッタースイッチ、そして絞りリングのクリック音をON/OFFできる絞りリングクリックスイッチを配置。撮影に集中できる仕様になっています。
絞り開放でも解像感はバツグン
実際にさまざまなシーンで撮影してみましたが、写りもArtラインだけあって極上です。合焦点前後のイヤな色づきもなく、ボケも円形で前後ともとてもスムーズ。絞り開放でも驚くほどの解像力を見せてくれます。パソコンのディスプレイで写りを確認すると、まるで眼がよくなったような気がするほどです。
オートフォーカスの精度もよく、スピードもまずまず。スリムな鏡筒は、手持ちでも三脚併用のマクロ撮影時でも取り回しがよく、心地よい絞りリングの操作感、フィールドでも安心の防塵防滴構造と防汚コートなどと相まって、快適なシューティングを約束してくれます。マクロレンズとしても第一級、中望遠レンズとしてもバツグンの写りがとても魅力的なレンズだと感じました。