• arrows NX9 F-52A(NTTドコモの新製品展示会にて)。12月の発売が予定されています

5G対応arrowsの“二の矢”は、こだわりのタフネス仕様が復活しました。ドコモ2020-21年冬春モデルの「arrows NX9 F-52A」は防水・耐衝撃を備えた5Gスマートフォンです。

夏モデルとして発売された「arrows 5G」は富士通コネクテッドテクノロジーズ(FCNT)製としては久々のハイスペックモデルでしたが、耐衝撃仕様は省かれていました。

今回のarrows NX9 F-52Aはいわば性能で言えば上の中、ハイエンド寄りのミッドレンジモデルです。arrows 5Gのエッセンスを入れつつ、それ以前のarrowsの特長のいいとこ取りをしたようなスマホに仕上がっています。

  • Galaxy Note風の幅広画面

防水+耐衝撃、新たにアルコール消毒もOK

ボディはarrows 5Gよりも角張った形状で、6.3インチの有機ELディスプレイを搭載。画面内に指紋センサーを備えています。日本国内の工場で組み立てられる「日本製」のスマホです。

ディスプレイは縦横比19:9で、縦長すぎず扱いやすいサイズ感。重さは約162gで、iPhone 12と同じ水準です。大きさの割に軽く感じました。細かいところでは、側面フレームと背面のかみ合わせ部分の感触が多少指に触るようにも思えますが、これは好みの問題かもしれません。

防水と耐衝撃に対応する上、「ハンドソープや食器洗い洗剤で洗える」というarrowsらしいアピールポイントは今回も健在です。さらに清潔に保ちたい人向けにはアルコール消毒液と次亜塩素酸水での消毒も可能です。防水性能はこれまで通りですが、表面の加工が進化し、新たに消毒液での検証で耐久性が確認されています。

カラーバリーエションはホワイト、ゴールド、ネイビーの3色。この中でゴールドは光沢感が強く、折り紙の金色のような主張の強いカラーです。

  • ゴールドは「エキゾチック・ジャパ~ン」と歌い出したくなるゴージャスさ

  • ネイビーもコクのある深い青色

  • ホワイトはキッチンにありそうな清潔感

  • 新たにアルコールによる直接消毒が可能になりました。電源を落とし、ポートをしっかり閉じて吹き付けます。除菌シートで拭くこともできます

  • ディスプレイはサイドまで曲がったデザイン。実際の厚みより細く見えます

  • 上部にはSIMスロット、下部にはUSB Type-Cやイヤホンジャックがあります

eスポーツチーム監修、新ゲーム向け機能

eスポーツチーム「REJECT」のスポンサーとなるなど、最近ではゲームにも力を入れているarrows。今回はREJECT監修の新しいゲーム向け機能「ゲームゾーン」が搭載されました。

  • ゲームアプリをまとめて管理できる「ゲームゾーン」

  • 通知の消去やパフォーマンスの向上など、ゲームの操作性を個別に調整できます

「ゲームゾーン」はゲームプレイ時に求められる通知オフや録画などの機能をまとめたもの。ゲーム毎に設定を保存でき、キャプチャー画像も個別に保管できるなど細かいところまで行き届く仕様です。

  • ゲームチューニングの画面。パフォーマンスや通知、録画関連の設定など、細かい設定が行えます。ゲームアプリを一括して設定することも可能です

チップセットの「Snapdragon 765G」は、2020年発売の5Gスマホの多くで採用されている、ミッドレンジスマホの定番ともいえるSoC。クアルコムの認定制度Snapdragon Elite Gamingも取得しています。メモリも8GBと十分で、ゲームアプリを遊ぶのも不足はなし。内蔵ストレージは128GBで、追加で最大1TBのmicroSDを搭載可能です。

Photoshopの味付けを誰でも楽しめるカメラ

背面のメインカメラは、約4,850万画素(広角)、約800万画素(超広角)、約500万画素(深度)の3眼カメラを搭載。arrowsのカメラらしく、誰でも簡単に写真が撮れるというわかりやすさにこだわって設計されています。

  • Photoshop Expressモードは、シャッターを押すだけで自然に補正された写真が撮影できます

撮影機能としてはarrows 5Gから引き続き、Photoshop Expressモードを搭載。シャッターを押すだけで、補正効果を適用した写真が撮影できます。

撮った写真にスマホアプリのPhotoshop Expressで自動補正でフィルターをかけてもほぼ同じ結果が得られますが、わざわざアプリを立ち上げる必要もなく、スマホに慣れてない人でも日常使いできるくらいのシンプルさが持ち味です。

  • ウォームやクールなど、好みに応じた補正も可能

地味に増えてるarrows便利機能

arrowsユーザーならお馴染みの、独特な便利機能は今回も健在です。さらにメモアプリ「FASTメモ」など新顔もいくつか追加されました。

FASTメモはロック画面から起動する、きわめてシンプルなメモアプリ。画面ロックを解除しなくてもメモや写真、ボイスメモを残せるというものです。

  • FASTメモ。アイコンがちょうど親指付近に表示され、素早くアクセスできます

もう1つの新機能FASTショッピングは、画面内の文字情報をコピペしてショッピングサイト「dショッピング」で検索できるというもの。通常はコピーできない文字もコピペできるため、たとえばInstagramのキャプションから商品名を検索するといった使い方ができます。ちなみに、商品に限らず単純に文字をコピーするだけで使うことも可能です。

  • FASTショッピング

さらにFAST ARサイズチェッカーというミニアプリも追加されました。商品の大きさを入れると、サイズ感をARで表示するというシンプルなもので、たとえば冷蔵庫を買うときに部屋に置けるのかを調べる際に役立ちます。

  • FAST ARサイズチェッカー。動作はさほどもたつかず、スムーズに表示されている印象でした

arrows便利機能はこのほかにも多く搭載されています。中でも使いこなせば重宝するのはアプリ起動系の機能でしょう。たとえばFASTフィンガーランチャーでは、指紋認証で登録した指ごとにアプリを割り当て、認証と同時にアプリを起動。スマホ決済やカメラ撮影で役立つ機能です。画面端から指をスライドして、登録しておいたアプリを呼び出す「スライドインランチャー」もアプリ起動に役立つ便利な機能です。

  • スライドインランチャー。よく使うアプリをそのまま登録しても便利ですが、トップ画面に置くほどではないけど、思いついたときに使いたいアプリ(例えば認証用アプリなど)セットしておくと使い勝手がいいです

新しい日常のためのハイスペックモデル

arrows NX9はドコモの5Gスマホの中では「スタンダードモデル」という位置づけで、選びやすい価格帯の1台とされています。ですが、性能においてはよりハイスペックなスマホと比べても大きな差はありません。

162gという5Gスマホの中でも指折りの軽さで、日常の中での落下など不慮の事故にも耐えられるタフネス性能も確保。その防水性能は「新しい日常」を清潔に過ごすためにも役立ちます。

バッテリー容量が3,600mAhと少なめな点はやや気になりますが、3Dゲームもそつなくこなせる性能を備えています。エッジの効いたデザインながら、普段使いに必要な機能をバランス良くまとめた、まさにarrowsらしい1台です。

arrows NX9の主な仕様

  • OS: Android 10
  • CPU: Qualcomm Snapdragon 765G
  • 内蔵メモリ: 8GB
  • ストレージ: 128GB
  • サイズ: W72×D8.5×H152mm
  • 重量: 約162g
  • ディスプレイ: 約6.3インチ 有機EL
  • メインカメラ: 約4,850万画素(標準)+800万画素(超広角)+500万画素(深度)
  • インカメラ: 約1,630万画素
  • バッテリー容量: 3,600mAh
  • モバイル通信:5G(sub6)/4G LTE
  • 通信速度(4G): 受信最大1.1Gbps/送信最大131.3Mbps
  • 通信速度(5G): 受信最大2.1Gbps/送信最大218Mbps ※アップデート対応。発売時は最大182Mbps
  • 防水/防塵: ○/○
  • 生体認証: ○(指紋認証)
  • ワンセグ/フルセグ: ―/―
  • おサイフケータイ: ○
  • 接続端子: USB Type-C、3.5mmオーディオジャック
  • カラーバリエーション: ネイビー、ホワイト、ゴールド
  • 直販価格(税込): 76,032円(一括) / 50,688円(スマホおかえしプログラム適用時)