パナソニック ハウジングシステム事業部は10月5日、泡で便器内を自動洗浄する全自動おそうじトイレ「アラウーノ」シリーズの新モデルを発表しました。最上位となる「L150」(3タイプ)と、ベーシックモデル「S160」(2タイプ)です。最大の特徴は、自動的にフタを閉めてから汚水を流す「クローズ洗浄モード」の搭載です。

発売日はL150シリーズが2021年12月2日で、S160シリーズが2021年2月22日。メーカー希望小売り価格(税別、工事費別)は、L150シリーズのタイプ2が320,000円、タイプ1が350,000円、タイプ0が385,000円。S160シリーズのタイプ2が220,000円、タイプ1が259,000円です。

  • 「アラウーノ」シリーズのフラッグシップ最新モデル「L150」シリーズ

トイレは「フタを閉めて水を流す」ことを知っているのは半数以下

アラウーノL150とS160の違いは、洗浄水量と機能。L150シリーズの洗浄水量は4.8L(大)・3.6L(小)、S160シリーズは5L(大)・3.6L(小)です。L150シリーズはより節水性能が高くなっています。さらに、L150シリーズは停電時に電池で給排水できるのに対し、S160シリーズは電池による動作は排水のみです。

このほか、L150シリーズのみ、タイプによってオゾン水による除菌しながらの掃除機能や、ナノイーXによる消臭機能、LED照明機能などを搭載しています。

  • L150は、便器のフタのカラーデザインを変更できる「便ふたカラー」に対応しています

  • S160はシンプルなホワイトデザイン。今回の新モデルはすべてスタイリッシュなタンクレスタイプです

新モデルでは、自動フタ開閉機能を搭載していないS160シリーズ・タイプ2を除いて、すべてのモデルに「クローズ洗浄モード」が搭載されました。アラウーノシリーズは水洗レバーなどを操作することなく、使用後に自動で水を流す機能が搭載されていますが、クローズ洗浄モードはフタを自動的に閉めたあとに汚物を流すという機能です。

  • トイレ後に自動的にフタを閉め、便器内を洗浄する「クローズ洗浄モード」

ウイルスや菌の飛び散りを防ぐため、トイレはフタを閉めてから水を流すことが推奨されています。2020年5月4日に政府の新型コロナウイルス感染症対策専門家会議が公表した業種ごとの感染拡大予防ガイドラインでも、各業種のトイレにおいて「フタを閉めてから汚物を流す」ように表示することが推奨されています。

しかし、パナソニックの調査によると、実際に意識してフタを閉めてから流しているユーザーは36.1%ほどしかいません。クローズ洗浄モードは、この一連の動作をトイレが自動的に行うことで、菌の飛び散りなどを抑えてくれるわけです。

  • パナソニックが調査した「フタを閉めてから流す」ことを知っている割合と、それを実践している人の割合。実際にフタを閉めてから流している人は半数以下という結果に

スタンダードモデルのS160はより多機能に

標準モデルであるS160シリーズは、洗浄ノズルが衛生的なステンレス製になったほか、トイレ上部からの洗剤補充が可能になるなど基本性能を強化。さらに、従来まではハイスペックモデルにしか搭載できなかったスマートフォンとの連動機能や、オプションとして「連動水栓」が選べるようになりました。

  • S160シリーズの新機能

連動水栓とは、トイレを流すと離れた場所にある手洗い用シンクから自動的に水が流れ、一定時間後に止まる機能です。ひとつの止水栓で手洗いと便器の両方を接続するので、タンク式のトイレをタンクレストイレと独立手洗いにリフォームするような場合でも簡単に設置工事が行えるというメリットがあります。

  • 連動水栓の仕組み

クローズ洗浄モードや連動水栓を採用することで、トイレのフタの開閉や汚水の洗浄、手を洗うための出水止水などをすべて自動化。トイレ設備に触れることなく、一連の動作を終わらせることができます。

汚れにくい、自動洗浄、洗いやすい……アラウーノがトイレ掃除を楽に

アラウーノならではの機能も健在です。便器には特殊樹脂製の「スゴピカ素材」を採用。これは、一般的な陶器製の便器よりも汚れの原因となる水アカが固着しにくいのが特徴です。また、樹脂は陶器よりも複雑な成形ができるため、トイレのフチに水が垂れても床に落ちない「垂れガード」、座ったまま勢いよくトイレをしても尿が外に漏れない「漏れガード」など、複雑な形状を実現しています。

  • 「跳ねガード」「垂れガード」「漏れガード」

「自動おそうじトイレ」のアラウーノですから、トイレ使用後は泡と旋回水流でしっかり便器内を掃除する機能も見逃せません。市販の台所用中性洗剤をタンクに補充することで、微細な泡が便器内を旋回してしっかりと汚れを落とします。

  • 便器内に疑似汚れをつけて水を流した結果を比較。写真左は自動洗浄機能非搭載の陶器トイレ、右はスゴピカ素材と泡と旋回流による便器内洗浄を行うアラウーノ。アラウーノのほうが使用する水量が少ないにもかかわらず、すべての汚れが落ちているのがわかります

便器内に泡を発生できるもうひとつのメリットは「尿はね」の防止です。男性が立った状態で用を足すと、便器内の水が跳ねてトイレ室内に飛び散ります。アラウーノは便器内水面に泡を発生させることでクッションの役割をさせ、尿の飛び散りを大きく低減します。

  • 近年は男性も座って小用を足す風潮が出てきましたが、なかなかそうもいかないという人は多いと思います。飛び散りを減らせるのはありがたい機能ですよ

アラウーノシリーズは、汚れのつきにくい素材や泡による自動掃除機能、泡クッションによる尿ハネ低減機能などによって、便器に汚れがつきにくいうえ、掃除の手間が最小限ですみます。さらに、漏れガード、垂れガード、そして樹脂成形のよる段差の少ない形状のおかげで、汚れても簡単に掃除できるのも特徴です。今回の新機能で「トイレを流すときのウイルスや菌の飛び散り」も減り、ますます清潔性がアップしたと感じました。毎日使うトイレだけに、清潔でお手入れが簡単なうれしいトイレです。