米Intelは10月31日(現地時間)、ノートPC向けのディスクリートGPU(外付け型GPU)「Iris Xe MAX Graphics」を発表した。Tiger Lakeベースの第11世代Intel Coreプロセッサと組み合わせることで、消費電力と処理性能を最適化する新技術に対応する。既にAcer、ASUS、Dellが搭載ノートPCの市場投入を予告している。

  • ノートPC向けのディスクリートGPU(外付け型GPU)「Iris Xe MAX Graphics」を正式発表

    ノートPC向けのディスクリートGPU(外付け型GPU)「Iris Xe MAX Graphics」を正式発表

Iris Xe MAXは、Tiger LakeベースのプロセッサにインテグレーテッドGPU(iGPU:内蔵型GPU)として採用された「Iris Xe Graphics」を、そのまま単体チップにしたようなGPUで、PCとの接続バスインタフェースはPCI Express 4.0。ほか主な仕様は以下の通り。

Iris Xe MAX (参考)Core i7-1185G7内蔵のIris Xe
製造プロセス 10nm SuperFin
アーキテクチャ Xe-LP
実行ユニット(EU)数 96基
VRAM 4GB LPDDR4X-4267MHz 128bit接続 CPU共有
最大動作周波数 1650MHz 1350MHz
映像出力 DP 1.4、eDP 1.4、HDMI 2.0b DP 1.4、eDP 1.4b、MIPI-DSI 2.0、HDMI 2.0b
対応解像度 7680×4320(DP)、4096×2160(HDMI/eDP)
API DirectX 12.1、Vulkan 1.2、OpenGL 4.6 DirectX 12.1、OpenGL 4.6

10nm SuperFinのプロセスで製造され、96基の実行ユニット(EU)数を備えるなど、Iris Xe MaxはIris Xeと同等規模のGPUと見られるが、プラットフォーム単位での総合性能は大幅な向上が期待できる。ディスクリートGPUになったことでTDPに余裕が出たぶん、動作周波数が1650MHzへと高速化。VRAMにLPDDR4X(メモリ帯域は最大68GB/秒)を初採用。Tiger Lakeの内蔵型GPUとIris Xe Maxを協調動作させ、消費電力と処理性能を最適化する「Intel Deep Link」技術に対応する。

  • 「Iris Xe MAX Graphics」のロゴマークも公開された

  • Tiger Lakeと協調動作することで、消費電力と処理性能を最適化する「Intel Deep Link」技術に対応する

これまでは「DG1」の開発コードネームで知られてた今回のIris Xe MAXは、Intelとしては1998年の「Intel 740」以来のディスクリートGPUという点でも登場が期待されていた。今回はモバイルノートPC向けだが、今後も派生製品としてゲーミング向けの「Xe-HPG」やHPC向けの「Xe-HPC」などのディスクリートGPUが計画されている。