日立製作所は10月26日、2021年4月からの在宅勤務活用を標準とするニューノーマルな働き方の実現に向け、ハンコレスなどの業務改革やオフィス改革などを実施すると発表した。これにより同社は、年間約5億枚の紙削減を目指すとともに、自由に働く時間・場所を選択できる「タイム&ロケーションフリー」の深化を図るとしている。

ハンコレス、ペーパーレスによる業務改革

同社は、出社要因の一つとなっていた押印業務の削減に向けて、2021年度中に社内の押印業務を全面的に廃止し、業務プロセスの見直しと併せて、インターネットを活用したフローシステムへと移行する。

具体的には、同社グループが提供している電子署名サービスを営業や調達業務などにおいて2020年10月より使用開始している。また押印業務の削減に加えて、社内のペーパー推進プロジェクトを立ち上げ、同社グループとしての国内における年間紙使用量を7億枚から2020年度は約70%(約5億枚)の削減を目指すという。

オフィス改革

同社は業務改革だけでなく、オフィスや働き方に関する改革も行うとしている。「ベースオフィス」「サテライトオフィス」「在宅勤務」それぞれの勤務場所で実施する業務を明確化することで、従業員が業務内容に応じて柔軟に勤務場所を選択できるようにするとしている。

ベースオフィスでは、フリーアドレス化などによるスペース効率の向上を進めるとともに、リアルな空間で集うためのコミュニケーションスペースの拡充や、オンラインコミュニケーションのための遮音ブースの設置などを行い、用途に応じたオフィス空間を構築していく。加えて、リモート環境の向上のために、外部ネットワークからの接続においても通信遅延が発生しにくい新規クライアントPCの導入を2021年1月より開始するとのこと。

リモート環境下におけるマネジメントの支援

また同社では、在宅勤務において円滑なコミュニケーションやマネジメントを推進するために、管理職8,000人を含むグループ各社において、リモート環境におけるマネジメント研修を10月より順次開始している。

リモート環境下での日常マネジメントに必要なスキルや知識などをオンラインで研修し、上司部下の相互コミュニケーションの活発化やオンライン会議の効果的な運用などを支援する方針だという。

同社が策定した「在宅勤務活用を標準とした新たな働き方」のロードマップは以下の通り。

  • 「在宅勤務活用を標準とした新たな働き方」ロードマップ