前回の「ニコン『Z 5』レビュー前編 高画質の裏に潜んでいた予想外の“あれれ?”」に続き、ニコンの中堅フルサイズミラーレス「Z 5」の濃厚レビューをお送りします。Z 5を手にして一番最初に撮影した「DSC_0001.JPG」の描写にゾッコン惚れてテンションが上がった落合カメラマンですが、使い込んでいくと「あれれ?」「おや…!?」と感じることが増えてしまったそうです。
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ニコンが8月末に販売を開始したフルサイズミラーレス「Z 5」。実売価格は、ボディ単体モデルが税込み165,000円前後、コンパクトな設計の標準ズームレンズが付属する24-50 レンズキットが税込み20万円前後
高倍率の24-200mmはZ 5との相性バツグン
Z 5に対し、早期に「おっとこりゃZ 50のフルサイズ版かぁ? 欲しくなっちゃいそうじゃーん」と手前勝手に心躍らせたのには、ひとつヘソの曲がった理由があった。Z 5の存在を知る前にNIKKOR Z 24-200mm f/4-6.3 VRを手に入れていたのだ。ナンのため? 愛機Z 50で使うためにさっ!!
NIKKOR Z 24-200mm f/4-6.3 VRはFXフォーマット用のレンズである。それをDXフォーマットのZ 50で使う(得られる画角は35mm判換算で36-300mm相当になる)のは、とても贅沢なこと。そこがいい。まぁ、DXフォーマットのNIKKOR Zに高倍率ズームが存在しないから……という一面もあるにはあるのだけど、常用する標準系ズームレンズに長焦点側の余裕ある画角を求める(より望遠に強い方がウレシイ)私には、現時点ドンピシャの使い心地が得られる唯一、かつ魅惑のコンビネーションでもあるのだ。レンズ内手ぶれ補正も入っているしね(Z 50にはボディ内手ぶれ補正がないのでココ重要)。
そんなレンズを「本当の意味でちゃんと使いきれそうなモデルが出た!」……Z 5に対しては、そちら方面からも興味を引かれていたということになる。なので、今回は軽量な24-50mmだけではなく24-200mmもガッツリ使ってみた。ちゃんとフルサイズで使ったときのこのレンズの実力を知っておきたかったんですわ。なんせ、ほら、私はZ 50でしか使ったことがなかったもんで(笑)。
で、その結果、周辺画質に若干の甘さを感じることはあるけれど、アラ探しに近い見方をしない限りは気にならず、高倍率ズームレンズとしては写りは相当にイイことを確認! このレンズ、買って正解。当面、Z 50で使い倒すことになりそうだけれど、いつかフルサイズZを手に入れた日には「正しいコンビネーション」を存分に味わってやるぅ! なんて気になれた。その日が来るのとコロナ禍が過ぎ去り平穏な生活に戻れることのどちらが早いのか皆目、見当がつかないけどね……。
ただし、24-200mmを装着したZ 5は、これっぽっちも小型軽量じゃなくなります。いや、そもそもが小型軽量な「Z」なので、それなりに小さく軽くまとまってはいるのだけど、Z 6やZ 7に同レンズを装着しているよりも軽いってことはありません。バッテリー&メモリーカード込みのボディ質量、同じですからー。
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練りに練られた(という印象の)画作りは、飛ばず潰れずの豊かな階調再現から感じ取ることもできる。個人的に、一眼レフ時代からアクティブD-ライティングは「しない」で撮ることが多かったのだけど、いつの間にやら最近は、デフォルトが「しない」設定なのでそのまま撮らせていただくことがほとんどであります(NIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR S使用、140mm、ISO100、1/2000秒、F2.8、-0.7補正)
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今回は、やっと発売になったNIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR Sも使っているのだけど、いや、こりゃイイですわぁ。さすがはZマウントというべきか、NIKKORの70-200mm F2.8レンズ史上、もっとも描写力の高いレンズに仕上がっていると思う。これをAPS-CのZ 50で使うために買うってのは……やっぱり贅沢すぎっすかね?(NIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR S使用、200mm、ISO100、1/800秒、F2.8、-1.3補正)