GNUは米国時間2020年9月27日、grep 3.5のリリースをメーリングリストで発表した。ソースコードはGNUのミラーサイトからダウンロードできる。検索対象ファイルにバイナリーファイルが含まれている場合、標準出力やファイル名に空白などが含まれている際の混乱を回避し、他の診断と整合性を高めるため、メッセージを「Binary file FOO matches」から「grep: FOO: binary file matches」に変更した。また、「grep: FOO: warning: recursive directory loop」「grep: FOO: input file is also the output」といったメッセージも標準エラーに出力される。

  • Linux上で動作するgrep 3.5

    Linux上で動作するgrep 3.5

入力ファイルの名前を表示する「--files-without-match (-L)」オプションは、grep 3.1以前の状態に戻った。メールを投稿したJim Meyering氏は、「grep 3.2から3.4の動作は互換性の問題を引き起こしていた」と説明している。この他にも、UTF-8ロケールで、完全な文字列に適合する行のみを表示するオプション「--word-regexp (-w)」指定時に、マルチバイトの単語構成要素を正しく認識するなど、6つのバグを修正した。

阿久津良和(Cactus)