基本デザインに変更はないが、多数の改善が施されている

2020年版27インチiMacのサイズは51.6×65.0×20.3cmと、2019年モデルとまったく同じ。ただし、重量は2019年モデルが9.42kg、2020年モデルが8.92kgと、0.5kg軽くなっています。かなりの軽量化ですが、シャーシにも変更が加えられているのかもしれません。

デザインは基本的に変更なし。ご存じのとおり、必然性がなければデザインを変更しないのがアップルの流儀です。インターフェイスの配置、数も変わりません。しかし、内部的には多数の改善が施されています。

まず、FaceTime HDカメラが720pから1080pへ解像度が向上しています。より高画質にビデオ通話できるようになったわけです。オーディオも強化。スタジオクオリティーと謳う3マイクアレイを搭載し、iMacとしては初めて「Apple T2 Securityチップ」を採用。マイクはノイズ除去機能と指向性が強化され、スピーカーはApple T2 Securityチップにより原音に忠実で、低音域のレスポンスが向上したと謳われています。また「Hey Siri」にも対応しました。

ワイヤレス通信機能については、Wi-Fi 5(IEEE802.11ac)は従来どおりですが、Bluetoothは4.2から5.0にアップグレード。また、オプションで10ギガビットEthernetを選択可能となりました。10Gbps超えのインターネット回線を契約している方には10ギガビットEthernet対応は朗報ですね。でも、Wi-Fi 6(IEEE802.11ax)非対応なのは残念です。

インターフェイスは、Thunderbolt 3(USB Type-C)×2、USB Type-A×4、有線LAN(RJ-45)×1、SDXCメモリーカードスロット×1、3.5mmヘッドフォンジャック×1が用意されています。インターフェイスの数は同じですが、Thunderbolt 3端子はディスクリートGPUに「Radeon Pro 5700」または「Radeon Pro 5700 XT」を選択した場合にRetina 6Kディスプレイ「Pro Display XDR」を2台接続可能となり、SDXCメモリーカードスロットはUHS-II対応となりました。特に後者については、デジカメから大量の写真や動画をコピーする方には大歓迎の進化です。

  • 本体前面。Nano-textureガラス搭載ディスプレイは、映り込みを低減しているのに、5K解像度をほとんどスポイルしていないのが不思議な感じです。高解像度と映り込みの少なさが相まって、写真、動画がよりリアルに感じられます

  • アップルの「P3(Display P3)」が準じている「DCI-P3」と比較したところ、DCI-P3カバー率99.2%という値が出ました。Nano-textureガラスを搭載していても、色域にはほとんど影響を与えていないようです

  • 本体背面。ディスプレイ一体型PCの多くにACアダプターが使われていますが、iMacは電源を内蔵しているので、スマートに配線可能です。これは大きなメリットです

  • ディスプレイスタンドはチルトのみ対応。パンしたいときはスタンドごと回しましょう

  • FaceTime HDカメラが720pから1080pへグレードアップ

  • オッサンの顔で恐縮ですが、1080pのFaceTime HDカメラで撮影してみました。ノイズが少なく、発色も自然、露出も的確です

  • インターフェイスは、左から3.5mmヘッドフォンジャック×1、SDXCメモリーカードスロット×1、USB Type-A×4、Thunderbolt 3(USB Type-C)×2、有線LAN(RJ-45)×1と並んでいます

  • マイクは本体背面上部にひとつ、本体前面のアップルロゴの右上にふたつ内蔵されています。ただし本体前面のマイクは肉眼では視認できません

  • ステレオスピーカーは本体下部に内蔵されています

  • 上から、Magic Keyboard、Magic Trackpad 2、Magic Mouse 2、Lightning - USBケーブル、電源ケーブル、ポリッシングクロス、説明書類。Nano-textureガラス搭載ディスプレイは、付属のポリッシングクロスで清掃するように指定されています。それだけデリケートな表面処理ということです