8月27日、eスポーツイベント「RAGE ASIA 2020」のメディア向けのオンライン説明会が開催されました。「RAGE ASIA 2020」を共催するCyberZ、エイベックス・エンタテインメント、テレビ朝日の3社から代表者が登壇し、RAGE ASIA 2020の概要を説明しました。

  • RAGE ASIA 2020

    eスポーツイベント「RAGE ASIA 2020」のメディア向けオンライン説明会の様子

  • RAGE ASIA 2020

    「RAGE ASIA 2020」は、8月29日と30日に開催されるeスポーツイベント。無観客オンライン形式での開催です

「RAGE ASIA 2020」のベースである「RAGE」は、CyberZの運営で、2016年から計20を超えるeスポーツタイトルを使用して実施されてきたeスポーツイベント。現在では、CyberZ、エイベックス・エンタテインメント、テレビ朝日3社で協業するイベントブランドになりました。今大会のトップスポンサーは、LEGION by LenovoとGoogle Playです。

元々「RAGE ASIA 2020」は、東京オリンピック2020の開催に合わせ、eスポーツの国際大会を開催する予定でした。しかし、新型コロナウイルス感染症に拡大によって、東京オリンピック2020の開催が1年延期され、その他イベントも軒並み延期、中止になり、「RAGE ASIA 2020」も予定していたオフライン大会からオンライン大会に形式を変更。観客のみならず参加選手も完全オンラインでの開催です。また、オンラインになったことで、時差や回線の遅延などを考慮し、今回は地域をアジアに限定しました。

使用されるタイトルは、モバイルのバトルロイヤルゲーム『荒野行動』と、PCのバトルロイヤルゲーム『APEX Legends』の2つ。日本でもプレイ人口が多く、アジア圏で多く遊ばれているタイトルなので、まさに「RAGE ASIA 2020」に相応しいタイトルでしょう。

また「RAGE ASIA 2020」は、ストリーミング配信だけでなく、バーチャルプラットフォーム「Cluster」を使ったイベント空間「V-RAGE」でも実施されます。「V-RAGE」は、3月15日に「RAGE Shadowverse 2020 Spring GRAND FINALS powered by Sharp」でベータ版が開催されています。筆者も参加しましたが、VRデバイスやスマーフォン、PCなどからVR空間にあるRAGE会場に入り、eスポーツイベント会場でほかの視聴者と一緒に観戦を楽しめました。オンラインでありながらイベント会場にいるような雰囲気です。

正式版のローンチになる「RAGE ASIA 2020」では、「V-RAGE」でアバターに着せる大会専用のTシャツスキンを用意。アパレルブランド「BEAMS」とコラボしており、会場ロビーにある物販エリアで、スキンと同じデザインのリアルTシャツの購入も可能です。イベント会場で公式Tシャツ(スキン)を着られるうえに、実物のTシャツが後日届くのはうれしいですね。

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    VR空間では、アバターを操作してRAGEの会場を移動。メイン会場には、リアルのeスポーツ会場のように大型ディスプレイが設置されており、ほかの参加者と一緒に試合を観戦できます

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    アバターに着せる「RAGE ASIA 2020」の「BEAMS」コラボTシャツスキン。同じデザインのリアルTシャツも販売されます

発表会の後半では、CyberZ eスポーツ事業管轄 RAGE総合プロデューサーの大友真吾氏、エイベックス・エンタテインメント ライヴ事業本部 イベント制作グループ ゼネラルマネージャーの坂本茂義氏、テレビ朝日 ビジネスプロデュース局 ビジネス統括部・担当部長の石田要氏によるトークセッションが行われました。

そのなかで大友氏は「RAGE ASIA 2020は、国際マッチにこだわっていました。国内大会だとどうしても国内チーム、国内選手に注目が集まりがちですけど、国際大会ではさまざまな国の選手やチームが集まるので、そういった選手やチームにも注目していただきたいですね。国別の対抗戦はeスポーツのみならず、どんな競技でも盛り上がるので、楽しんでもらえれば」と「RAGE ASIA 2020」の目的やイベントに対する期待感について語りました。

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    CyberZ eスポーツ事業管轄 RAGE総合プロデューサー 大友真吾氏

テレビ朝日は、RAGEに参加した3社のなかでは最後発ながら、2社に負けないeスポーツの展開を行っています。8月21日には事前番組として「日本vs世界!!eスポーツ頂上決戦 RAGE ASIA 2020 直前SP」を放送しました。さらに9月11日には大会の模様を「日本vs世界!!eスポーツ頂上決戦 RAGE ASIA 2020」で放送する予定。ストリーミング配信、VR配信、テレビ地上波放送と、あらゆるメディアを使って、RAGE ASIA 2020を盛り立てます。

説明会で石田氏は「テレビ朝日では、毎週日曜日に『ReAL eSports News』を放映しております。RAGE関連では、eスポーツ応援宣言としてRAGE ASIA 2020を盛りあげていますし、8月21日は特番を放送しました。地上波というマスの力を使い、RAGEやeスポーツに貢献したいと思っています。これまで、世界水泳やフィギュアスケート、野球、サッカーなど、さまざまなスポーツコンテンツを取り扱ってきたので、それらと連携を取りながら、番組作りをしていきます」と意気込みました。

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    テレビ朝日 ビジネスプロデュース局 ビジネス統括部・担当部長 石田要氏

さらに、「RAGE ASIA 2020」について、坂本氏は「デジタルを使ったイベントは、100万人の参加を目指せる可能性があると思います。そういう意味で今回のイベントは、業界に風穴を開けるくらいの出来事になるでしょう。エイベックスはアジアでも事業を展開していますが、そういった国々からRAGEと一緒にeスポーツイベントをやりたいとオファーをいくつも受けています。全世界に発信する第一歩として、世界戦略につながればいいですね」と期待を表しました。

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    エイベックス・エンタテインメント ライヴ事業本部 イベント制作グループ ゼネラルマネージャー 坂本茂義氏

コロナ禍でリアルイベント、オフラインイベントが延期、中止になるなか、新たなイベントの在りかたとして、「RAGE ASIA 2020」は、これまでとは違うオンラインイベントの道を開拓しようとしています。ただ、eスポーツイベントをはじめとするオンラインイベントの多くは、認知度も視聴者数も、まだまだ発展途上。「RAGE ASIA 2020」をきっかけに、ライブエンターテインメントの未来が変わることに期待したいところです。

「RAGE ASIA 2020」は29日と30日の2日間で開催。ゲームにあまり詳しくない人も、ゲームをプレイしているけどゲーム配信を観たことがない人も、試しに観戦してみれば、新たな楽しみに出会えるかもしれませんよ。