ダンスや筋トレなど室内で楽しむワークアウト記録が充実

watchOS 7から「アクティビティ」アプリの名前が「フィットネス」に変わります。アプリのユーザーインターフェースも、アクティビティリングからワークアウトの成果、トレンドのコーチングデータまで一気に俯瞰しやすくなりました。

  • アプリの名称がアクティビティから「フィットネス」に変更されます。UIも、全体のデータが俯瞰しやすいように一新されました

アプリの名前が、さまざまな方法で体を動かしながら健康管理を意識するというより広い意味を持ったことで、ワークアウトのメニューがいわゆる走ったり泳いだり、アクティブに体を動かすスポーツ以外にも、室内で気軽に実践できるトレーニング系にも拡大しました。

WWDC 20の基調講演でも紹介されていた「ダンス」は、watchOS 7のプレビューページでも特にハイライトされています。筆者はダンスは得意ではありませんが、YouTubeでSPEEDの「Body & Soul」の“踊ってみた”系動画を見ながら、1曲まるごと汗をかくほど真剣に自宅で真似してみました。ウォーキングやランニングのようにワークアウトを記録するかどうか、手首を叩いて確認してくれる機能は発動しませんでした。種目としてこの機能に対応していないのか、あるいはダンスが下手すぎて認識されなかったのでしょうか。いずれにせよ、自宅であれば下手なダンスでも人に迷惑をかけないので、思い切り体を動かしながら発散できて意外に楽しかったです。

機能的筋力トレーニングやコアトレーニングなど、コロナ禍中に自宅にいながら実践できるトレーニングメニューが充実してとてもうれしいのですが、筋トレ系は“お手本”を見ながら動いた方が効果が高められるし、ワークアウトのモチベーションがキープできます。アップルが「Apple Fitness」のような独自に製作したホームエクササイズ用のビデオコンテンツをアプリ経由で提供してくれれば、よりトレーニングに身が入るだろうし、大勢のApple Watchユーザーに喜ばれると思います。

  • 宅内で体を動かせる筋トレ系のトレーニングのメニューが増えています。効果的、かつ継続的にトレーニングが実践できるように、アップルオリジナルのトレーニング動画コンテンツなどが登場してほしいところです

手洗いの動作と音を正確に検出する「手洗いタイマー」

新型コロナウイルスや冬のインフルエンザ対策としても頼もしい「手洗い」アプリが、新たにwatchOSに加わりました。オン・オフを選択できますが、もちろん常時オンで使いたいものです。

手洗いを始めると、ウォッチに内蔵するモーションセンサーとマイクが手洗いの動作を自動検出して20秒のタイマーを開始します。手洗いの動きと音が一致しないと起動しないので、誤動作の心配はありません。ただ、キッチンで皿洗いをしている間は如何ともしがたく発動します。30分間、皿を洗う間にタイマーが連続して起動することはなかったので、機能はオンのままでも気にならないと思います。

  • 手洗いを始めると、動作と音声を検知して自動で手洗いタイマーが起動します

筆者は、ウディ・アレン監督の「Whatever Works」(邦題:人生万歳!)という映画を見て、主人公のボリスが手に付着している菌を落とすため「ハッピーバースデイ・トゥー・ユー」を2度繰り返し歌いながら入念に手を洗う習慣を日ごろから真似ていました。きっとハッピーバースデイを早口で歌っていたからでしょうか、Apple Watchの手洗いタイマーの“20秒間”は意外に長く感じました。手洗いはしっかりやらねばと反省しました。手洗いが20秒に満たない場合は、ウォッチがもっと洗うように促してきます。iOSのヘルスケアアプリでは、手洗いにかけた時間もグラフで振り返られるようになります。

  • Apple Watchの画面には、20秒の手洗いタイマーを表示。手洗いの成果はヘルスケアアプリに記録されます

「手洗いリマインダー」をオンにして自宅の場所を登録しておけば、帰宅してしばらく手を洗わないでいるとウォッチにアラートを飛ばしてくれます。筆者は、帰宅後必ず手を洗う習慣を体得済みですが、一度出かけた後に自宅に忘れ物を取りに帰って、再び外に出た時にしっかりアラートが届きました。

  • 手洗いリマインダーから自宅のロケーションを設定。帰宅してしばらく手洗いができていないとアラートを飛ばしてくれます