Microsoftは米国時間2020年8月11日の公式ブログにて、Androidを採用した折りたたみ型のデュアルディスプレイデバイス「Surface Duo」を、2020年9月10日から米国市場で提供を開始することを明らかにした。

価格は1,399ドル(約15万円)で、Samsung製の折りたたみスマホ「Galaxy Fold」の1,980ドル(約21万円)を大きく下回る。日本国内での販売価格や時期は、米国発表の段階では明らかになっていない。

  • 米国時間2020年9月10日から米国で販売を開始するSurface Duo

MicrosoftはSurface Duoについて、「外出先でマルチタスクを行うもっとも簡単な方法を提供し、Microsoft 365エクスペリエンスのパワーとAndroidモバイルアプリのエコシステム集約している」(Microsoft, Surface Commercial Marketing, Frank Buchholz氏)と説明する。この発言と「Surface Duo for Business」というラインナップを用意したことを踏まえると、MicrosoftはSurface Duoを消費者向けデバイスであると同時に、業務運用における選択肢の1つとして、Microsoft IntuneといったMDM(モバイルデバイス管理)下での利用を想定しているようだ。

「Surface」を冠するデバイスは、人間の生産性を高めるためのあり方を再定義してきた。2in1 PCを主体としたSurface Proシリーズが代表的だ。Microsoft CPO, Windows+Deviceを務めるPanos Panay氏も別の公式ブログで、「電話を再発明するのではない。人々がポケットの中のデバイスをどのように使うかを再考するきっかけになるのは間違いない」と、Surface Duoの立ち位置を述べている。

  • デュアルディスプレイは独立して、個別のアプリを起動できる

その上でPanay氏は「我々の社内調査によれば、4人に3人がPCから離れている間に複雑なタスク処理に苦労している。それはシングルディスプレイのスマートフォンが、一度に複数のことを行うように設計されていないからだ」と、デュアルディスプレイの利点を強調している。Panay氏の意見は至極当然だが、Androidアプリはその多くがシングルディスプレイを前提に開発されてきた。

そのため、Surface Duoは各ディスプレイを個別、もしくは1つのディスプレイとして操作する技術を内包している。また、独自のデジタイザーアルゴリズムによって、指で画面の継ぎ目を横切る際も1つのディスプレイで操作している感覚になるという。

Microsoft 365に含まれるOfficeアプリの最適化も行われた。たとえばOutlookをデュアルディスプレイで使用すると、メール閲覧や作成、予定の確認が容易になり、Wordなら電子書籍リーダーのように指でページをめくり、ドキュメント全体をデュアルディスプレイに映し出せる。個人的には2つのアプリを起動し、タッチ操作で文字列や画像を一方のアプリでコピー&ペーストする機能は魅力的だ。

  • Outlookをデュアルディスプレイに展開し、メールの閲覧や予定の確認できる

他方で米国時間2020年8月5日にリリースしたWindows 10 Insider Preview Build 20185では、Androidデバイスのアプリを「スマホ同期」から操作する機能を追加した。具体的には、PCとスマートフォンが共通のネットワークに接続した状態で、スマートフォンからPCに接続。スマートフォン側のアプリをPCにミラーリングする。

この機能に対応するデバイスは、現時点でSamsungのGalaxyシリーズに限定されているため未検証だが、背景には米国時間2019年8月7日に発表したMicrosoftとSamsungの提携がある。Surface Duoが本機能に対応するか否かは不明だが、Panay氏のいう「生産性の向上」につながると思われるので期待したいところだ。

  • 「Your Phone(スマホ同期)」でAndroidデバイスにインストールしたインスタグラムを起動。タスクバーにもピン留めされている(画像は公式ブログから抜粋)

まとめると、Surface Duoが挑戦的なデバイスであることは間違いない。物欲を刺激された人もいれば、ハードウェア性能と価格のバランスなどから見送る人もいるだろう。ハードウェア性能などは、Microsoftの公式ニュースサイトや、公式サイトで確認できる。

筆者はメインのデバイスがiPhoneで、Androidはサブデバイスだ。Surface Duoには大いに興味を持つが、購入には二の足を踏むのが正直なところ。日本市場への展開時期と価格が分かったら、そこでまた悩みそうだ。