米Verizon BusinessとIBMは7月16日(現地時間)、5Gとエッジ・コンピューティングのイノベーションにおいて協力し、インダストリー4.0の実現を支援するために協業を開始することを発表した。両社は、Verizonの高速で低遅延の5Gや、マルチアクセスエッジコンピューティング(MEC)機能、エッジでのIoTデバイスやセンサと、IBMのAIやハイブリッド/マルチクラウド、エッジコンピューティング、資産管理、運用連携などでの専門知識を融合していく計画だ。

今回の協業で計画された最初のソリューションは、運用を改善するとともに生産品質を最適化し、労働者の安全に役立つモバイルの資産追跡および管理ソリューション。

最初のソリューションで両社は、Verizonのワイヤレスネットワークである5G ウルトラワイドバンドネットワークとマルチアクセスエッジコンピューティング(MEC)機能に加え、同社のThingSpace IoTプラットフォームとCritical Asset Sensorソリューション(CAS)も活用する予定。

これらの機能はIBM Watsonや高度な分析機能で市場をリードするIBMのMaximo Monitorとあわせて提供を予定し、こうしたソリューションを組み合わせることでシステムの異常を検出、特定、診断、対応でき、資産の状態を監視し、ほぼリアルタイムで障害を予測することができるという。

また、両社はソリューションを複合的に用いて、製造業向けのリアルタイムのコグニティブオートメーションなど、5GとMEC対応のユースケースの策定にも取り組んでいる。エッジコンピューティングの非集中型アーキテクチャではデータが生成される場所=デバイスが配置されている現場とテクノロジーリソースが近くなるため、応答時間の遅延が減り、処理速度と信頼性が向上するとしている。

5Gの低遅延、高速ダウンロード、容量により、同じ領域内でサポートできるデバイスの数が増加し、コンピューティングパワーを活用して、それらのデバイスとほぼリアルタイムでやり取りできるようになり、遠隔操作ロボットやほぼリアルタイムのコグニティブ・ビデオ分析、プラント・オートメーションなどの新しいアプリケーションが実現できるようになるという。

今後、両社は作業員の安全確保や予知保全、製品品質向上、生産自動化などに取り組むためのソリューションについても共同で検討していく考えだ。