日本マイクロソフトは7月13日、MicrosoftのXiaoIce(シャオアイス)関連事業を独立企業として分離すると発表した。XiaoIceは同社のソーシャルAIチャットボット事業の1つで、日本では「りんな」として知られている。

  • 日本の「りんな」は女子高生AIとして2015年8月に登場した(現在は高校を「卒業」済み)

分離した事業は新会社として、Harry Shum(ハリー シャム)氏が会長、Di Li(ディ リィ)氏がCEOに就任。日本支社のゼネラルマネージャーはZhan Chen(ジャン チェン)氏が担当する。なお、Harry Shum氏はMicrosoftで2020年2月までAI部門のトップを務めていた人物。また、Di Li氏はMicrosoftでXiaoIce担当ゼネラルマネージャーを務めている。

Microsoftは、新会社への投資を維持し、すべてのXiaoIce関連技術を新会社にライセンスする。事業を分離する目的は、XiaoIceチームが各地域に則した技術やイノベーション、ビジネスを推進し、利用者やパートナー各社から要望が多かった、カスタマイズされたサービスを提供できるようにすることだという。

日本の「りんな」は、2015年8月にLINEで登場。その後TwitterやInstagramなどのプラットフォームと連携し、自然な会話を実現する会話エンジン「共感モデル」を活かしてそれぞれのユーザーと直接コミュニケーションを取っている。

人工知能として歌唱や絵画技術の学習も行われ、エイベックスや東京藝術大学などとのコラボレーションも進めてきた。また、例えばローソン公式LINEアカウントの会話機能に採用されるなど、法人向けのAIマーケティングソリューションにも活用されている。Microsoftでは、「XiaoIceの既存のお客様は、今後もこれまでと同等水準と品質のサービスを継続して享受できる」としている。