Visual StudioプログラムマネージャーのPratik Nadagouda氏は7月9日(米国時間)、公式ブログ「Exciting new updates to the Git experience in Visual Studio|Visual Studio Blog」において、Visual Studioのプレビュー版に搭載されている新しいGitエクスペリエンスについて伝えている。Gitエクスペリエンスは、Visual Studio 16.6から搭載されたGitサポート機能で、GitHubやAzure ReposなどのGitリポジトリをよりシームレスに利用できるようにするツールである。

Nadagouda氏が伝えているのは、次期バージョンのGitエクスペリエンスに実装される予定の新機能。新しいGitエクスペリエンスは現在、Visual Studioの最新のプレビュー版に搭載されている。もし、パブリックリリース版のVisual Studioを使用している場合は、バージョン16.6以降であれば、下記のようにオプションの「プレビュー機能」から[New Git user experience]にチェックを入れることで新しいGitエクスペリエンスの機能を試してみることができる。

  • 新しいGitエクスペリエンスを有効にする

    新しいGitエクスペリエンスを有効にする

新たに追加された機能としては、まずマージ時の競合を解決するためのUIの変更が挙げられている。例えば、Gitウィンドウの[変更]ツールにマージされていない変更が一覧表示され、競合の解決が進行中であればその旨のステータスメッセージが表示されるようにっている。また、ファイルに競合が含まれている場合は、マージエディタへのリンクが付いた情報バーが表示されるようになった。マージエディタ自体も、より競合の解決が行いやすいように改善されている。

[Gitリポジトリ]ウィンドウが新しくなったのも大きな変更点である。新しいGitリポジトリウィンドウでは、リポジトリ内のすべてのブランチを1つのビューで管理可能なブランチツリーが追加された。このブランチツリーには、直接新しいブランチを作成したり、チェックアウトせずにリソースをFetch/Pull/Pushしたりできるコンテキストメニューが用意されている。また、ダブルクリックで簡単に履歴が確認できるほか、まもなく送信コミットも確認できるようになるとのことだ。

そのほか、新機能として次のような項目が挙げられている。

  • 空のフォルダからでも新しいリポジトリを作成できる
  • リポジトリレベルでもGit設定をカスタマイズできる
  • アップストリームの変更をPullする前にPushしようとした場合、「PullしてからPushu」と「強制Push」をオプションで選べる
  • [チームエクスプローラー]からワークアイテムとビルドにアクセスできる
  • [Git変更]ウィンドウの改善

これらの変更はプレビュー段階であり、さらなる改善のために、開発チームではユーザーからのフィードバックを広く募集している。