コミックマーケット準備会は7月12日、2020年冬のコミックマーケット99(C99:通称“冬コミ”)の開催は行わず、2021年のゴールデンウィーク(GW)の開催を目指すと発表した。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大防止の観点と、東京オリンピック・パラリンピックの開催延期に伴い、東京ビッグサイト東展示棟が当初予定していたC99の開催期間に使えなくなったことを受け、決定した。

  • コミックマーケット99

    2020年冬のコミックマーケット99(通称“冬コミ”)の開催は行われないことが決まった

2020年の冬コミ(C99)は当初、東京ビッグサイトにおいて2020年12月29日~31日開催を予定していたが、コミックマーケット98の開催中止を伝える3月27日付リリースのなかで、「期間・会場が確定した段階で改めて公式Webサイト等にて告知する」としていた。しかし、2020年冬のC99開催そのものを取り止めたかたちだ。

コミックマーケット準備会は「いかなる形であればコミックマーケットを開催できるか、開催形態の大幅な変更を含め、様々な検討を続けてまいりました。しかしながら、現状求められている新型コロナウイルス感染症対策を講じたとしても、問題やリスクが諸々生じる恐れもあり、参加者の皆さんに満足いただけない開催となってしまうことが懸念されます。大変残念ではありますが、コミックマーケット99を2020年冬に開催することは困難である、という苦渋の決断に至りました」とコメントしている。

C99の新たな開催日程については、2021年のゴールデンウィークでの開催を目指し、関係各方面と日程調整を行っており、詳細は2020年秋以降に発表予定だという。なお、C99の『サークル参加申込書セット』、郵送申込用の『合体配置用封筒』通販については、セット販売で既に申し込まれた分も含め、開催日程の決定後、改めて公式Webサイトなどで告知する。

2020年冬のC99開催はなくなったが、その代わりに1975年12月のコミックマーケット誕生から45周年を迎えることを記念した企画なども加え、GWに行った『エアコミケ』を発展させていくことを検討。これも決定次第、公式サイトなどにて告知する。

準備会は現在、C98カタログ冊子版の購入や、C98当選サークルによる参加費の繰越・寄附の申出等の協力に加え、金融機関からの特別貸付制度を利用した借入れ等の資金調達も進めており、直ちにコミックマーケットの運営が立ちゆかない状況ではないとのこと。しかし、今後のCOVID-19の状況如何によっては、改めて幅広い支援を求める可能性もあるという。

なお、今回の決定はコミケの特質を踏まえた上での判断であり、「他のイベント・展示会・即売会等に対し、無用な混乱を招くような問い合わせを行うことは控えてほしい」としている。

  • コミックマーケット99開催中止

    (写真はコミックマーケット88、2015年夏コミの様子)