人の声が聞きやすいボイスクリア機能、ビデオ会議にも最適

今回、AN-SS2の実機を借りて、さまざまなコンテンツの音を確認してみました。

テレビやタブレット、スマホで楽しむ映画やドラマには、やはり相性抜群のワイヤレススピーカーだと思います。音のバランスはボーカルや人の声の帯域が最も引き立つようにチューニングされています。

それだけでなく、スピーカーからの音がユーザーの耳へ効率よく届くように、という狙いから、スピーカーの音の出口をAN-SS1から改良しています。長田氏は、音を反射させて耳に向ける「リフレクター機構」が鍵を握っていると説明しており、AN-SS2はこの機構を採用したことで、肉厚で力強い音が再現できるようになりました。AN-SS1と聴き比べてみると、音の明瞭度に差を実感できます。

  • AQUOSサウンドパートナー AN-SS2

    スピーカーの開口部を上に向けて配置。耳元へ直接音が向かうようにリフレクター機構を採用

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    リフレクター機構のイメージ

新機種のAN-SS2にはさらに、人の声を聞き取りやすくする「クリアボイス機能」が付きました。設計に携わった半澤氏は「信号処理で中高域の周波数帯域にある音成分(スペクトル)を増幅する機能です。特に人の声の聞き取りやすさを左右すると言われている子音の明瞭度を上げることに腐心した」と説明しています。コンテンツに含まれる音の中から、人の声だけをピックアップして明瞭度を高める機能は、テレビのAQUOSシリーズに搭載されている「音声くっきり」の開発資産もベースにしているそうです。

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    ソフトウェア処理によって音声の帯域を聴きやすくする「クリアボイス機能」を搭載、左の青いボタンを押してオン/オフを切り替える

筆者はスマホのオーディオブックコンテンツで外国語学習の教材を再生して、自分の声を聞きながら発音練習を繰り返すときにもクリアボイス機能が有用だと感じました。

また、AN-SS2は本体にマイクを内蔵しており、ビデオ会議にも最適なツールだと思います。耳を塞がないので、1時間を超える会議に参加したときの疲労感が少なく、クリアボイスをオンにしておけば相手の声がクリアに聞こえてストレスが少なくなります。自宅でテレワーク中に玄関のチャイムが鳴っても、環境音が聞こえてくるので気が付きます。

バッテリーは約2時間半でフル充電になり、そこから約16時間の連続音楽再生ができるスタミナを備えています。使い込む頻度にもよると思いますが、バッテリー残量はいつも気にしながら使う必要はないでしょう。電源を投入するたびに、日本語対応のボイスガイド機能がバッテリー残量を音声で教えてくれるので安心です。

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    AN-SS2の本体を裏返すと左側に、充電用のmicroUSB端子(防水仕様)がある

重低音再生できる「AN-SX7A」との2枚看板に

シャープの永沼氏は「AQUOSサウンドパートナーのラインナップには、迫力のある低音再生に対応するシアター向けの『AN-SX7A』(2019年発売)という製品もあり、重低音再生時には本体が振動する没入感の高いシアター体験が楽しめます。カジュアルに“ながら聴き”を楽しめるAN-SS2との使い分けもぜひ楽しんでもらいたい」と話していました。

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    AQUOSサウンドパートナー「AN-SX7A」

AQUOSサウンドパートナー AN-SS2はとても軽量で、なおかつ防滴対応も実現しているため、あまり音量を上げ過ぎなければ、屋外をウォーキングしながら音楽を聴く用途にも使えると思います。ヘッドホンやイヤホンとはまたひと味違う、ウェアラブルスピーカーの魅力が気軽に楽しめる製品としておすすめです。

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    AN-SS2のカラーバリエーション。(左上から時計回りに)ブラック、ホワイト、レッド、ローズゴールドの4色展開