6月に入り、都内の家電量販店には多くの人が訪れるようになっています。急速に蒸し暑くなるこの時期は、空調家電やクール家電を購入する動きが加速している様子。そこで今回は、ヨドバシカメラマルチメディアAkibaにてエアコンの売れ筋を尋ねました。

同店のエアコン売り場も活況で、取材時も多くの人で賑わっていました。生活家電を担当する高澤浩二氏は、「例年、エアコンは5月の大型連休のころから売れるようになるのですが、今年は自粛がありましたからね。そのころのニーズが6月に入って一気に出てきた感触があります。例年同月に比べ、1.5~2倍の売れ行きになっていますね」と現状を語ります。

  • ヨドバシカメラ マルチメディアAkiba 5階のエアコン売り場。生活家電担当の高澤浩二氏にナビゲートしてもらった

売れ筋の傾向も例年との違いが目立っているそうです。「やはり、新型コロナへの意識が大きくて、清潔性を保てる機能や換気機能を重視する人が多いですね。ハイスペックな機種が売れやすいリビング向けで特に顕著です」とのこと。

そこで、リビング向け(14畳相当タイプ)に絞って直近の売れ筋トップ5を挙げてもらいました。下記の購入のポイント三箇条を踏まえて、紹介していきましょう。

  • 除菌機能や抗菌仕様、換気対応など、空気をキレイにする特徴を見極めて選びたい
  • 素早く涼しくするなら多ルーバータイプ、身体にやさしくするなら間接空調タイプがお勧め
  • エアコンをつけつつ、少し窓を開けて換気するのもあり。新生活様式に合わせて買おう

※本文と写真で掲載している価格は、2020年6月18日13:30時点のもの。日々変動しているので、参考程度に見てください。

第1位:換気もできるダイキン「うるさらX」

一番人気となっていたのは、ダイキン工業の最上位となる「Rシリーズ うるさらX AN40XRP」でした。給水なしで加湿できるほか、室外機から外気を取り込む給気換気機能も備えるなど、家庭用ルームエアコンで唯一の機能を複数搭載しています。税込み価格は33万2740円(基本工事費込み、以下同)です。

「除湿も空清モードも備えていて、これ一台で部屋の空気のことが全部お任せできます。エアコンといえばダイキン、という人も多く、ライバルより少し値が張りますが、リビングはコレがいいという声をよく聞きます。頭ひとつ抜けた売れ方をしていますね」

  • ダイキン工業「Rシリーズ うるさらX AN40XRP」

第2位(同率):ナノイーXの除菌機能が注目される「エオリア Xシリーズ」

うるさらXに続く2番手には、3モデルが並んでいる状態でした。

そのうちのひとつが、パナソニック「エオリア」の最上位シリーズとなる「CS-X400D2」。税込み価格は28万1290円でした。エコナビやWi-Fi連係などの最新機能を搭載していますが、とりわけ注目を集めているのが菌やウイルス、PM2.5などに効果があるといわれるイオン「ナノイーX」の放出機能です。

「ナノイーXは以前のモデルから搭載していますが、ウィズコロナの時代になって改めて注目されていますね。エアコンとしても年中効率的に使える仕様ですし、トータルで見て選ぶ人が多いと思います」

  • パナソニック「エオリア CS-X400D2」

第2位(同率):プラズマクラスターNEXT搭載で人気の「L-Xシリーズ」

シャープのフラッグシップシリーズに属する「AY-L40X2」も2番手の一角を占めています。税込み価格は24万8660円。5万個/立方cmまでイオン濃度を高めた「プラズマクラスターNEXT」を搭載し、部屋を快適にしながら空気をきれいにします。

エオリア Xシリーズと似た売れ方ながら、より身体へのやさしさを重視する人に選ばれる傾向があるようです。「シャープは風作りが特徴的です。ルーバーを1枚にして、冷房は上に、暖房は下に空気が流れるように設計しています。直接風を当てずに涼しくしたり温かくしたりする仕組みで、エアコンの風が苦手という方によく選ばれます」

  • シャープ「AY-L40X2」

第2位(同率):ステンレスの清潔さが支持される「白くまくん Sシリーズ」

もうひとつの2番手は、日立製作所の上位機「白くまくん Sシリーズ」に属する「RAS-S40K2」です。税込み価格は25万7750円。室内外機の凍結洗浄機能を備えるモデルで、ルーバーやプロペラ、内部フィルターまで菌が付着しにくいステンレス加工を施しているのが特徴です。

「こちらは、空気清浄機と併用して空気を清潔に保ちたいという人によく選ばれます。エアコン全体で菌が付きづらい仕様になっているので、ずっと安心して使えると評価する方が多いですね」

  • 日立製作所「白くまくん RAS-S40K2」

第5位:新ムーブアイで素早く快適にできる「霧ヶ峰 Zシリーズ」

2番手集団に続いて売れているのが、三菱電機の上位機「霧ヶ峰 Zシリーズ」に属する「MSZ-ZW4020S」です。税込み価格は27万7950円。AI技術を用いた「ムーブアイmirA.I.+」(ミライプラス)と4枚ルーバーにより、室内の状況を正確に素早く察知して効率的に冷暖房できるのが強みといえます。

「部屋にいる人の足の指先の温度まで見張って、室内全体が快適になるように効率的に運転します。ライバルのなかでも、一番むらなく涼しくしてくれると評価されていますね。除菌など、この時勢で注目される特徴はないものの、エアコンとしての基本性能がとても高く、堅実に売れている印象です」

  • 三菱電機「霧ヶ峰 MSZ-ZW4020S」

はみ出し情報…スタイリッシュさを求める人には「risora」が人気

ベスト5には入らなかったものの、室内機の外観を重視する人にはダイキン工業の「risora」シリーズが売れているとのことです。14畳タイプの「AN40XSP」の税込み価格は21万9900円でした。

「他のエアコンと比べて圧倒的に薄く、カラーも7種類選べるということで、室内機の存在感を気にされる方に指名買いされます。基本性能は十分に高いので、『性能は普通でいいから薄いのがいい』という人にうってつけです」

  • ダイキン工業「risora AN40XSP」