選択肢3:完全ワイヤレスイヤホン

  • 実はテレスクール向きの初代AirPods。手持ちを娘に譲ったところ、直後にアルコール消毒され何も言えなくて……夏

見た目:◎ 導入の容易さ:◯ 通話品質:△~◯

左右ユニット間も無線でつながる「完全ワイヤレスイヤホン」も、テレスクール用マイクとして使える。この際、自宅学習の徒然に音楽鑑賞用を兼ねてプレゼント、という粋な計らいもアリかもしれない(娘の歓心を買えるかもしれないし)。

ただし、完全ワイヤレスイヤホンであれば何でもOK、ということはない。大半の製品にはマイクが装備されているが、マイクを省略した製品が少なからず存在するうえ、パッケージにマイク搭載の有無を明記していない製品も多い。「音声通話対応」や「高性能マイク」などと記載されている製品を選ぼう。

マイクがあればOKというわけでもない。マイクの数が左右片側1基なのか2基なのかで集音性能が変わってくるし(2基のほうが有利)、声をクリアに伝えるcVc(Clear Voice Capture)対応かどうかで風切り音やロードノイズといった雑音の量も変化する(cVc対応のほうが有利)。かんたんにいえば、音声通話にこだわった製品はテレスクール用途でも力を発揮するということになる。

左右片方だけで使えるかどうかも確認しておきたい。テレビ会議は参加者の声が聞き取りやすければそれでよく、ステレオ音声で聴かなくても用が足りるため、両耳に装着する必要がないからだ。耳栓のようなカナル型より耳穴近くにふんわり置くオープン型、具体的には「初代AirPods」のような形状が疲れにくくお勧めできる。

  • SkypeやZoomなど利用予定のテレビ会議用アプリでテストしておこう

選択肢4:EarPods

  • マイク入力対応の3.5mmジャック装備のPCでは、EarPodsなどマイク内蔵有線イヤホンを使える

見た目:△ 導入の容易さ:◎ 通話品質:◯

初代AirPodsは、突き出た軸の先端にマイクを設置したデザインゆえか、声がはっきり聞こえるとビデオ会議参加者からの評判も上々。しかし、マイク性能でいうと、名前がよく似た有線モデル「EarPods」のほうがいい。Windows PCで使うのだから、現行iPhoneに付属のLightning版(EarPods with Lightning Connector)ではなく、アナログ端子の「EarPods with 3.5mm Headphone Plug」だ。

EarPodsが有利な理由のひとつには、マイクがより口もとに近いことが挙げられる。マイクが内蔵されたリモコン部は、EarPodsを装着するとちょうど顎付近にくるため、声を拾いやすいのだ。

もうひとつの理由は、音声データの切り捨てがないこと。AirPodsなどのBluetoothイヤホンは、PCやスマホと通信するときマイクで集めた音を16kHzまたは8kHzにダウンサンプリングするが(HFPプロファイルの場合)、内蔵マイクやイヤホンジャック接続のマイクは44.1kHzまたは48kHzと情報量が多い。

ただし、EarPodsでも「キーン」というノイズが発生した。ノイズ対策をしっかり講じたPCならば発生しにくい問題だが、こればかりはPC本体の買い替えを伴うためどうにもならない。

なんとか対策はないものかと「サウンド」コントロールパネルを調べてみると、(Realtek High Definition Audioの)マイクのプロパティ・拡張タブに「ノイズ抑制」というチェックボックスを発見。ここをチェックしてからボイスレコーダーで録音すると、あら不思議、イヤなノイズはほぼ解消。その代わり、ややこもった声質になってしまったが、不快感はなくなった。

  • マイクのプロパティで「ノイズ抑制」をチェックすると、キーンという耳障りなノイズが消えた

4つの選択肢、娘のセレクトは

4つの選択肢を娘に提示し、待つこと1時間。部屋に様子を見に行くと、睨まれたので退散。さらに1時間後、遠目に見るとAirPodsを着けているようだ。

昼食を食べながら感想を訊ねると、声の質という点ではBluetoothヘッドセット(Voyager 5200)がいいが、友だちウケはAirPodsなのだそう。いわゆる“映え”の問題ですかね? ただ、充電がウザいとの話もあり、結局「使うのは内蔵マイクかも……」。そうきたか。