Skype Meet Nowの特徴とは?
Microsoftは最近、Skypeのサービスを拡張する形で「Skype Meet Now」というサービスを開始した。これはWebブラウザからWeb会議を作成して利用できるというもので、会議の作成や使用にあたってMicrosoftアカウントすら必要がないという仕組みになっている。会議当たりの長さ制限などもなく、WebブラウザさえあればWeb会議が利用できる無料のサービスだ。
プラン | Skype Meet Now |
---|---|
価格 | 無償 |
参加上限 | 最大50名 |
1回の会議長さ制限 | 制限なし |
会議数 | 制限なし |
Webブラウザからの参加 | ○ (Microsoft EdgeおよびGoogle Chromeに対応) |
外部参加者の招待 | ○ |
モバイルアプリ | ○ |
スクリーンとプレゼン共有 | ○ |
会議の録画 | ○ (最大30日間保管) |
Web会議に関しては、主要なベンダーが矢継ぎ早に新しいサービスを発表したり、上限の拡張や撤廃を行ったりしている。Skype Meet Nowは本稿執筆時点でもかなり新しいサービスであり、これまでで最も導入の敷居が低いものとなっている。
Skype Meet Nowは競合サービスに対する対応策という位置づけが強いサービスと見られる。導入障壁を低くすることで、ユーザーが他社のサービスへ流れるのを防ぐとともに、SkypeやMicrosoft Teamsへ目を向けてもらう狙いがあると考えられる。
システムにSkypeアプリケーションやSkypeアプリがインストールされていればそちらが起動するが、インストールされていなければそのままWebブラウザが使用される。Webブラウザにはマイクおよびカメラへのアクセス権を与えておく必要がある。
Webブラウザに与えた許可に注意
Skype Meet Nowに限った話ではないが、Webブラウザを使うタイプのビデオ会議サービスを使う場合、Webブラウザにカメラとマイクへのアクセス権を与えたことを覚えておく必要がある。
Webブラウザは頻用するアプリケーションであり、こうしたアプリケーションにカメラとマイクへのアクセスを許可することは、セキュリティの面で懸念が残る。必要がなくなれば、与えた権限は削除するようにしたいところだ。
複数のビデオ会議サービスを使うことが日常風景になりそう
今回取り上げたサービスも含めれば、注目度の高いビデオ会議サービスは次のようになる。サービスごとに細かい違いはあるが、数名で1時間程度の会議をするとかビデオチャットをするくらいであれば、どのサービスを使ってもそれほどの差はないと思う。違いが出てくるのは、ユーザーが多くなった場合と、業務で頻繁に使うことになった場合だ。
ベンダ | サービス |
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Cisco | Webex Meetings |
Messenger Rooms | |
Google Meet | |
Microsoft | Microsoft Teams |
Skype | |
Zoom Video Communications | Zoom |
最近は、無償利用でも同時に50名まで利用できるようになっていることが多い。しかし、名目上50名になっているからといって、実際に50名でまともに使用できるかといえば、それはまた別の話だ。音声のクオリティや継続性など、本格的に使ってみないとわからないことは結構ある。数名で試した時は問題なかったが、本番環境で使ったらまるで仕事にならなかった、ということもある。無償版と有償版では、そうしたところに差が出てくる。
Webブラウザを使うタイプのWeb会議サービスは、導入は簡単だが、長期にわたって本格的に使うとなると不便なことも多い。専用のアプリケーションやアプリと比べてリソース消費が多く、利用できる機能も少ない。通話クオリティも時折首をかしげることが出てくる。この辺りは使い込んでみないとわからないところだ。作り込まれたアプリケーションやアプリには、相応のアドバンテージがあることが多い。
今後、Web会議をする機会はこれまでよりも増えるはずだ。利用するサービスもさまざまだろう。これまでOffice 365(現:Microsoft 365)を使ってきた企業ならMicrosoft Teamsが使いやすいし、企業向けのGoogleサービスを使っているならGoogle Meetを使うのが自然だし、これまでWeb会議をする機会が多かった企業ならすでにWebex Meetingsなどを導入済みだろう。コロナ禍をきっかけにWeb会議を導入した企業はZoomの利用が多いかもしれない。
これから先、会議をする相手ごとに利用するサービスが違うというのが当たり前の光景になっていくだろう。どのサービスも招待を受けて利用する分には簡単だ。どのサービスも無償のサービスは簡単に導入できるので、あらかじめ試しておくのは悪くない投資だと思う。