古河電気工業(古河電工)は6月9日、古河電池と協力して独自のメタル・ポリマーの素材力を活用することで、1枚の電極基板の表と裏にそれぞれ正極と負極を有するシンプルな構造を実現した次世代型蓄電池「バイポーラ型蓄電池」を開発したことを発表した。
従来の鉛蓄電池と比べて材料の削減が可能でありながら、体積当たりの容量の向上により重量エネルギー密度は従来の鉛蓄電池の約2倍とするほか、電極基板の積層化により設計自由度の高い電池構成が可能なため、コスト競争力の改善も期待できるようになるという。そのため、電力貯蔵用リチウムイオン蓄電池と比べると、消費電力量当たりの単価は50%以下となるという。さらに、稼働時も空調レスで、エアコンによる温度管理コストも削減可能で、トータルコストを1/2以下に抑えることができるとしている。
また、ピークシフト目的の長周期対応で、0.2CA充放電特性は電力貯蔵用リチウムイオン電池に匹敵するという。
なお、バイポーラ型蓄電池はすでに量産実用化のめどが立っており、2021年度中のサンプル出荷、2022年度からの製品出荷開始をそれぞれ予定しているという。